JSIAM2012 プログラム (9月14日版)


(主な変更履歴)

8月28日  
  団体航空券
  伊丹空港発 9:00集合 @ 伊丹空港
  羽田空港発 11:10集合 @ 羽田空港
14:00頃-18:00頃 バス見学会
  1号車 14:30集合 @ 稚内空港
  2号車 14:00集合 @ 稚内全日空ホテルロビー または 14:30集合 @ 稚内空港
  3号車 15:30集合 @ 稚内全日空ホテルロビー
  ※ 乗車するバスは後ほどご連絡させていただきます。
19:00-21:00 ウェルカムパーティ @ 稚内港北防波堤ドーム (18:45 集合 @ 稚内全日空ホテルロビー)

8月29日 会場 A 会場 B 会場 C 会場 D
1
9:00-10:20
一般講演 偏微分方程式(1)研究部会OS 離散システム(1)研究部会OS 行列・固有値(1)研究部会OS 数理設計(1)
2
10:30-11:50
一般講演 偏微分方程式(2)研究部会OS 離散システム(2)研究部会OS 行列・固有値(2)研究部会OS 数理設計(2)
3
13:30-14:50
研究部会OS 数論アルゴリズム(1)研究部会OS 応用可積分系(1)一般講演 行列・固有値(1)研究部会OS 連続体力学の数理(1)
4
15:00-16:20
研究部会OS 数論アルゴリズム(2)研究部会OS 応用可積分系(2)一般講演 行列・固有値(2)研究部会OS 連続体力学の数理(2)
研究部会OS 情報セキュリティ
5
16:30-17:50
一般講演 最適化研究部会OS 応用可積分系(3)一般講演 計算幾何学研究部会OS メッシュ生成・CAE
6
20:30-22:00
早稲田大学理工総研主催 精度保証付き数値計算ワークショップ(1)

8月30日 会場 A 会場 B 会場 C 会場 D
1
9:00-10:20
研究部会OS 数理ファイナンス(1)研究部会OS 機械学習研究部会OS 科学技術計算と数値解析(1)研究部会OS 数理医学(1)
2
10:30-11:50
研究部会OS 数理ファイナンス(2)一般講演 常微分方程式研究部会OS 科学技術計算と数値解析(2)研究部会OS 数理医学(2)
3
13:30-14:50
研究部会OS 数理ファイナンス(3)一般講演 確率微分方程式研究部会OS 数理政治学研究部会OS 数理医学(3)
4
15:00-15:20
表彰式
5
15:30-17:30
総合講演
6
17:30-18:50
ポスター講演
7
19:00-21:00
懇親会

8月31日 会場 A 会場 B 会場 C 会場 D
1
9:00-10:20
研究部会OS 計算の品質(1)会員主催OS ソフトウェア自動チューニング(1)研究部会OS ウェーブレット(1)一般講演 数値計算(1)
2
10:30-11:50
研究部会OS 計算の品質(2)会員主催OS ソフトウェア自動チューニング(2)研究部会OS ウェーブレット(2)一般講演 数値計算(2)
3
13:30-14:50
研究部会OS 計算の品質(3)研究部会OS 若手の会(1)一般講演 現象の数理モデル(1)研究部会OS 応用カオス(1)
4
15:00-16:20
研究部会OS 計算の品質(4)研究部会OS 若手の会(2)一般講演 現象の数理モデル(2)研究部会OS 応用カオス(2)
5
16:30-17:50
一般講演 計算の品質研究部会OS 折紙工学一般講演 現象の数理モデル(3)研究部会OS 応用カオス(3)
6
20:30-22:00
早稲田大学理工総研主催 精度保証付き数値計算ワークショップ(2)

9月1日  
5:45-18:00頃 利尻・礼文島Excursion (5:45集合 @ 稚内全日空ホテルロビー)
  団体航空券
  関西空港行 9:25集合 @ 稚内全日空ホテルロビー
  羽田空港行 10:25集合 @ 稚内全日空ホテルロビー

9月2日  
10:30-12:30 市民講演会 @ 稚内全日空ホテル
  10:30 甘利俊一先生
  11:30 森正武先生
  団体航空券
  羽田空港行 13:00集合 @ 稚内全日空ホテルロビー


*: 登壇者、**: 若手優秀講演審査対象
8月29日 会場A 9:00-10:20 一般講演 偏微分方程式(1)

高温超伝導薄膜内のクラック検出シミュレーション
*高山 彰優(山形大学工学部), 神谷 淳(山形大学大学院理工学研究科)

クラックを含む高温超伝導体内の遮蔽電流密度の時間発展を解析するFEMコードを開発する.同コードを用いて,臨界電流密度の非接触測定法によるクラック検出のシミュレーションを行い,同法の検出精度を調べる.
問題の非線形性を弱める離散変分スキームの構成
*降旗 大介(大阪大学サイバーメディアセンター)
多段階化による従来の方法では不可能だった,非多項式による非線形性をもつPDE に対して非線形性を弱めた離散変分スキームを構築する新しい方法について述べる.
ミクロ相分離の数理モデルに対する構造保存型数値解法
**松岡光(金沢大学 自然科学研究科), 中村健一(金沢大学理工研究域数物科学系)
非局所的な自由エネルギーに対する勾配系であるミクロ相分離のモデル方程式に離散変分法を適用し、質量保存性・エネルギー散逸性を有する差分スキームを構成するとともに、数学的な背景及び数値計算結果について説明する。
Galerkin粗格子近似を使った多重格子法の各種スムーザーの比較
小暮智也(法政大学大学院), 山崎俊央(法政大学大学院), *堀端康善(法政大学)
幾何学的多重格子法の粗格子の近似法として,ガレルキン粗格子近似がある. 本論文では一般座標系で離散化された方程式に対し,ガレルキン粗格子近似の幾何学的多重格子法を適用し,各種スムーザーについて数値実験を行いその収束特性を比較する.

8月29日 会場A 10:30-11:50 一般講演 偏微分方程式(2)

p-Allen Cahn 方程式の数値スキームとその数値実験
*笠井 博則(福島大学共生システム理工学類), 佐藤 雄祐(福島大学大学院共生システム理工学研究科)

Allen-Cahn方程式の主要項をp-Laplacianに置き換えたp-Allen-Cahn方程式の数値スキームを提案し、それによる数値実験の結果を紹介する。
個別要素法のGPUへの適用における課題と考察
*中原 康博(キヤノン株式会社), 鷲澤 輝芳(キヤノン株式会社)
粒子系の計算法である個別要素法(DEM)をポータブルな言語OpenCLを用いて実装し,その計算速度を評価した.本発表では,ワープダイバージェンスが多発する等のDEM計算アルゴリズムの特徴に着目し,これをGPUに適用するうえでの課題について考察する.
ルジャンドル陪関数の変形と応用-5
*田川昭夫(ミナト医科学株式会社)
ルジャンドル陪関数の変形、sinθ*Qnm(cosθ)から求めたヘルムホルツ解で、球体の外部流れの解析解をストークス近似の式から求める。圧力項はrotAの形になり、定常のk=0でgradUに一致する。
連続型成長パーコレーションモデルⅡ
*山本啓三(摂南大学理工学部), 山田裕子(中部大学工学部), 宮島佐介(中部大学工学部)
2次元連続型成長パーコレーションモデルで自由度2(r、θ)の場合のモンテカルロ・シミュレーションを提案し、その臨界指数を、前回報告した1自由度(θ)の場合とで差異があるかを検討している.

8月29日 会場A 13:30-14:50 研究部会OS 数論アルゴリズムとその応用(1)

Q上CMを持つ楕円曲線をmodulo pした曲線のFp-有理点の個数の素数性について
**奥村 伸也(九州大学数理学府)

Q上CMを持つ整数係数のワイエルシュトラス方程式で定義された楕円曲線をmodulo pした曲線Eを考える。素数にある合同条件を付けたとき、|E(Fp)|/t(tは正の整数)が素数となる確率について、講演者がたてた予想と実験結果を紹介する。
Hyperelliptic Netを用いたTate-Lichtenbaum Pairingの実装について
**田中 覚(首都大学東京), 内田 幸寛(首都大学東京), 内山 成憲(首都大学東京)
本講演で は,内田により定義されたelliptic netの超楕円曲線への拡張である hyperelliptic netを用いて種数2の曲線上のTate-Lichtenbaumペアリングを計 算するアルゴリズムをMAGMAで実装し, 既存の実装との比較を理論値, 実験値の両面から行う.
A remark on the computation of $r$-th roots in finite fields
*原澤 隆一(長崎大学), 末吉 豊(長崎大学), 工藤 愛知(長崎大学)
有限体における平方根の計算手法として, Tonelli-Shanks法(TS法)とCipolla-Lehmer法(CL法)が挙げられる. Adleman-Manders-Millerは, TS法の$r$乗根の計算への拡張を示した. 本公演では, CL法の$r$乗根の計算への拡張についての考察を行う.
メルセンヌツイスタ擬似乱数発生法の線形関係式
**原瀬 晋(東京工業大学 学振PD)
メルセンヌツイスタ擬似乱数発生法MT19937の性能評価を行う。特に、出力列から構成した二元体上の多項式格子を調べ、その結果から、ラグをつけた出力に対する誕生日間隔検定で、統計的な偏りが観測されることを紹介する。

8月29日 会場A 14:50-15:10 研究部会OS 数論アルゴリズムとその応用(2)

数論システム NZMATH の有効活用について (3)
*中村 憲(首都大学東京 理工学研究科 数理情報科学専攻)

我々が開発している数論システム NZMATH の性能を評価する為に, 実装されている各種数論アルゴリズムの性能を, 他のシステムによるものと比較する. 今回は素数判定その他のアルゴリズムを取り上げる.
8月29日 会場A 15:20-16:20 研究部会OS 数理的技法による情報セキュリティ

無視し得る確率を表現する論理体系
*竹内泉(産業技術総合研究所)

暗号理論では〈確率の差が無視し得る位小さい〉という概念が頻繁に登場する。本発表では、この〈無視し得る位小さい確率〉を表現することの出来る形式的論理体系を提案する。
アルゴリズム的情報理論とランダムオラクルモデル
*只木 孝太郎(中央大学 研究開発機構), 土居 範久(中央大学 研究開発機構)
本発表では、アルゴリズム的情報理論の概念と方法をランダムオラクルモデルに適用し、ランダムオラクルの具現化の問題について考察する。特に、ランダムオラクルが計算可能な関数で安全に具現化できることを示す。
Mizarによる離散確率の形式化についての考察
*岡崎裕之(信州大学), 師玉康成(信州大学)
本研究では形式数学システムMizarを用いて 暗号の安全性証明を行うために、離散確率の 数え上げに基づく直観的な一構成法を提案し、 既にMizarに収録されている測度論に基づく 確率の定義と矛盾なく形式化したことを示す。

8月29日 会場A 16:30-17:30 一般講演 最適化

スパース信号処理の情報幾何
*甘利俊一(理化学研究所), 湯川正裕(新潟大学)

信号処理や統計、最適化の分野でスパース表現が重要視されている。コンプレスッドセンシングや、スパース回帰などである。本講演では、2乗誤差に限らず一般の凸関数の最適化を、スパース制約のもとで解くアルゴリズムを考究する。これは、LARSやLASSOなどを一般化したものである。このために、情報幾何を活用し、凸関数から導かれる双対平坦構造とリーマン構造が主役を演じることを示す。  具体的には、L1ノルム制約とL1/2ノルム制約を扱うが、後者の場合は問題が凸最適化にならないため、いろいろと興味ある現象が起こる。ここでは、制約の強さに応じた解軌道を求める方程式を提出し、その性質を論ずる。特にL1制約の時に、LARSがMinkowski勾配法であることを示す。
非線形最適化問題に対するSl1QP法の試作
成瀬征基(法政大学大学院), *堀端康善(法政大学)
信頼領域法を用いたSQP法の1つとしてFletcherによるSl1QP法が存在する. 現在, この方法が取り入れられているソフトウェアにこれぞという定番はない. しかしながら, 信頼領域法を取り入れていることから, 直線探索法を利用しているSQP法よりも安定して最適解に近づいていくことが期待される. 本論文では、非線形最適化問題に対するSl1QP法を試作し, 非線形最適化問題を解き, 従来のSQP法と比較, 検証する.
Min-Plus代数における行列の固有値
**渡辺扇之介(同志社大学工学研究科), 渡邊芳英(同志社大学)
Min-Plus代数における行列の固有値が,ネットワークにおける閉路の平均重みの最小値となることを示す.

8月29日 会場B 9:00-10:20 研究部会OS 離散システム(1)

グラフの不変量と閉路の存在について
*山下登茂紀(近畿大学理工学部)

グラフがハミルトン閉路を部分構造としてもつための条件に関する研究は盛んに行われており,多くの条件が知られている.本講演では,最近我々によって発見された規則性のある次数和条件について述べる.
車両配送問題の多項式時間で解けるクラスとその計算量
*小田芳彰(慶應義塾大学理工学部)
巡回セールスマン問題の多項式時間で解けるクラスについてはさまざまな研究がなされてきたが,ここでは,この問題の一般化となる車両配送問題について考える.両問題の類似点,あるいは差異を見るとともに,その計算量についても述べる.
MacWilliams恒等式による擬似乱数列の下位ビットの分布計算
**原本博史(愛媛大学), 松本眞(東京大学), 西村拓士(山形大学), 大塚祐樹(広島大学)
本発表ではラグ付きFibonacci法による擬似乱数生成法について、下から2-6ビット目それぞれの0-1分布を、符号理論に現れるMacWilliams恒等式を用いて正確に計算し、安全/危険なサンプルサイズを評価した結果を紹介します。
GF(2)上線形な擬似乱数生成法による並列乱数生成
*西村拓士(山形大学)
GF(2)上の線形な生成式による擬似乱数生成法の設計方法について説明を行う。さらに、このタイプの生成法を用いた擬似乱数の並列発生方法について紹介する。

8月29日 会場B 10:30-11:50 研究部会OS 離散システム(2)

SimRankを用いた協調フィルタリング
**井上綾香(上智大学), 宮本裕一郎(上智大学)

協調フィルタリングとグラフ理論ベースの類似度指標SimRankを利用した商品推薦法を提案する.多品種少量購入データを含む多様なデータにも対応できるのが特徴である.実データに適用した結果も報告する.
Graph isomorphism problem for graphs of small connected-path-distance-width
**大舘 陽太(北陸先端科学技術大学院大学)
We show that Graph Isomorphism problem (GI) can be solved in O(n^2) time for graphs of bounded connected-path-distance-width, where n is the number of vertices.
グラフ再構築に関する話
*清見礼(横浜市立大学)
グラフ理論の有名な未解決問題であるグラフ再構築予想に関して、グラフクラスを限ったうえでアルゴリズム的な話も交えながら考察する。
不確実な最適化問題に対するロバスト最適化法
*武田朗子(慶応義塾大学)
不確実性を含んだ最適化問題のモデル化とその解法としてロバスト最適化法が提案されて以来,解法研究も進み,適用先も広範囲に広がっている.本発表では,ロバスト最適化を簡単に紹介し,機械学習分野への適用例を報告したい.

8月29日 会場B 13:30-14:30 研究部会OS 応用可積分系(1)

二変数Krawtchouk多項式と量子状態転送
**三木 啓司(京都大学情報学研究科), 辻本 諭(京都大学情報学研究科), Luc Vinet(Université de Montréal), Alexe Zhedanov(Donetsk Institute for Physics and Technology)

二次元のXX型ハミルトニアンが二変数Krwatchouk多項式により対角化できることを示す。二次元上での量子状態の転送を理論的に観測し、完全状態遷移の有無を調べる。
完全ローカットフィルタとソボレフ不等式の最良定数
**山岸弘幸(都立産技高専), 亀高惟倫(阪大), 永井敦(日大生産工), 渡辺宏太郎(防衛大), 武村一雄(日大生産工)
ローカットフィルタに対応するソボレフ不等式の最良定数を求めた.問題の背景となる境界値問題のグリーン関数が,第1種円柱関数またはベッセル関数で記述され,最良定数はグリーン関数の原点の値で得られることを示した.
有限体上の周期離散戸田方程式の解構造
**神吉雅崇(東京大学大学院数理科学研究科), 高橋悠樹(University of California, Irvine), 時弘哲治(東京大学大学院数理科学研究科)
本講演では周期離散戸田方程式系を有限体上で取り扱う。初期値空間を制限することにより、系を有限体上でwell-definedとする。初期値空間の適切な類別を紹介し、その類別の下で、系の遷移は完全グラフの構造をとることを示す。

8月29日 会場B 15:00-16:00 研究部会OS 応用可積分系(2)

箱とバスケットと玉の系におけるソリトン解について
*由良文孝(公立はこだて未来大学)

Box-basket-ball systemにおける双線形形式およびソリトン解などについて報告する。
粒子CAの拡張について
**池上 貴俊(早稲田大学基幹理工学研究科), 桑原 英樹(早稲田大学基幹理工学研究科), 高橋 大輔(早稲田大学基幹理工学研究科)
値の総和を保存する粒子CAは厳密解や相転移点の存在など、興味深い性質がある。粒子CAに非自励な自由パラメータを導入することにより、確率化、多成分化などが可能となる。これら拡張について解説する予定である。
空間曲線の等周変形とτ函数による明示公式
井ノ口順一(山形大学理学部), *梶原健司(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所), 松浦望(福岡大学理学部), 太田泰広(神戸大学大学院理学研究科)
ユークリッド空間の連続および離散曲線の等周変形を考察する.それらは曲率(もしくはそれに相当する量)がそれぞれmodified KdVおよびsemi-discrete modified KdV 方程式で記述されるが,曲線の運動に対してτ函数を用いた明示公式を構成し,厳密解について議論する.

8月29日 会場B 16:30-17:50 研究部会OS 応用可積分系(3)

積型離散ハングリーロトカ・ボルテラ系の漸近挙動について
**飛田 明彦(東京理科大学大学院理学研究科), 福田 亜希子(東京理科大学理学部), 石渡 恵美子(東京理科大学理学部), 岩崎 雅史(京都府立大学生命環境学部), 中村 佳正(京都大学大学院情報学研究科)

積型離散ハングリーロトカ・ボルテラ(dhLV)系に対し,中心多様体理論を利用して,平衡点付近での指数的収束性を示す.これにより,積型dhLV系に基づく固有値計算アルゴリズムにおける,収束の終盤での優れた収束性が明らかとなる.
離散可積分系を用いた行列束の一般化固有値計算について
**前田一貴(京都大学), 辻本諭(京都大学)
標準固有値計算アルゴリズムである dqds 法を,離散可積分系の観点から拡張する.得られたアルゴリズムの漸近的な挙動についてなどの基本的な性質についての議論を行う.
超離散戸田方程式の振動解について
*礒島 伸(法政大学理工学部)
離散戸田方程式のソリトン解のパラメータに対し,1のn乗根を用いた特殊化を考える.この解を超離散化することで,超離散戸田方程式の厳密解を構成する.また,得られた解が示す振動現象について議論する.
超離散方程式の解について
*薩摩 順吉(青山学院大学)
いくつかの超離散方程式の解を、対応する差分・微分方程式の解と比較検討し、とくに差分方程式のものと比べてどれだけ情報を失っているかについて議論する。

8月29日 会場C 9:00-10:20 研究部会OS 行列・固有値問題の解法とその応用(1)

メニィコアクラスタ向け並列多重格子法アルゴリズム
*中島研吾(東京大学情報基盤センター)

多重格子法は大規模科学技術計算向け手法として注目されている。不均質場におけるポアソン方程式を対象として,メニィコアクラスタ向け並列多重格子法アルゴリズム,T2K東大,富士通FX10による計算結果について紹介する。
GPUによる逆反復法の高速化について
**秋山拓斗(京都大学大学院情報学研究科), 石上裕之(京都大学大学院情報学研究科), 木村欣司(京都大学大学院情報学研究科), 中村佳正(京都大学大学院情報学研究科)
逆反復法における再直交化プロセス(古典グラムシュミット法, COMPACT-WY表現法)を NVIDIAとATIの2種類のGPUを用いて高速化した.
周回積分を用いた固有値解法における計算資源の効率的利用
**前田恭行(筑波大学), 櫻井鉄也(筑波大学)
周回積分を用いた固有値解法は,独立な複数の線形方程式を解くため並列性が高い. 線形方程式の求解に反復法を用いた場合に,反復回数の違いから発生する計算資源の待機を避け,計算資源の効率的な利用を行う方法について述べる.
CPU-GPUヘテロジニアス環境向け特異値分解アルゴリズムの高速化
**廣田悠輔(神戸大学), 山本有作(神戸大学)
CPU-GPUヘテロジニアス環境で並列計算を行うことにより行列の特異値分解が高速に求められる.本発表では,特異ベクトルの逆変換プロセスを並列実行する際のロードバランスの決定手法について述べる.

8月29日 会場C 10:30-11:50 研究部会OS 行列・固有値問題の解法とその応用(2)

下3重対角行列の特異値計算法を加速するシフト戦略について
**荒木翔(京都大学大学院情報学研究科), 木村欣司(京都大学大学院情報学研究科), 山本有作(神戸大学大学院システム情報学研究科), 中村佳正(京都大学大学院情報学研究科)

下3重対角行列に対するoqdsアルゴリズムを高速化する. 自動微分を用いて下界を設計し,シフト戦略を構築する.
コレスキーLR法の収束性解析
*相島 健助(東京大学), 松尾 宇泰(東京大学), 杉原 正顯(東京大学)
コレスキーLR法は正定値対称行列の固有値を求める反復法であり,初期行列やシフトに関するある種の条件の下で収束性解析がなされている.本発表では,一般的状況下で収束を示し,収束速度を明らかにする.
IDRstab法の偽収束改善に関する一考察
**相原 研輔(東京理科大学大学院理学研究科), 阿部 邦美(岐阜聖徳学園大学経済情報学部), 石渡 恵美子(東京理科大学理学部)
IDRstab法では,漸化式から求まる残差ノルムと真の残差ノルムの振る舞いが異なる偽収束が発生する.本講演では,偽収束を改善するため,残差を更新する漸化式を修正し,その効果について実験的考察を行う.
Block IDR(s)法における残差停滞の回避方法について
**内藤理大(筑波大学), 多田野寛人(筑波大学), 櫻井鉄也(筑波大学)
右辺が複数存在する連立一次方程式に対してBlock IDR(s)法を用いた際に,残差と近似解から得られる真の残差の間にはずれが生じることがある.本発表ではずれを小さくする解法を提案する.

8月29日 会場C 13:30-14:30 一般講演 行列・固有値(1)

GMRES methods preconditioned with inner iterations for general least squares problems
**Keiichi Morikuni(The Graduate University for Advanced Studies), Ken Hayami(National Institute of Informatics, The Graduate University for Advanced Studies)

We propose inner-iteration preconditioning for the GMRES methods for solving general least squares problems, which determines the least squares solution with minimum Euclidian norm.
Inner Iterations for Generalized Minimal Residual (GMRES) Methods with Numerical Performance
*Roy Nawar(University of Sydney), Ken Hayami(National Institute of Informatics), Keiichi Morikuni(The Graduate University for Advanced Studies)
We consider the behavior of stationary inner iterations applied as preconditioners, to Krylov subspace methods for solving least squares problems min ||b - Ax||_{2} where A \in R^{n x n}. For inner iterations, SOR and NRSOR methods are employed.
Conjugate gradient type methods for computing the block bilinear form $C^HA^{-1}B$
**Lei DU(University of Tsukuba & JST-CREST), Yasunori FUTAMURA(University of Tsukuba), Tetsuya SAKURAI(University of Tsukuba & JST-CREST)
We consider conjugate gradient type methods for computing the block bilinear form of $C^HA^{-1}B$, where matrix $A$ is $n$ by $n$, $C$ and $B$ are $n$ by $m$. Numerical results will be presented at the conference.

8月29日 会場C 15:00-16:20 一般講演 行列・固有値(2)

Extended Krylov部分空間に対する効率的基底生成法
**今倉 暁(筑波大学 計算科学研究センター)

近年, 行列関数や行列方程式の求解に対し, 行列Aの冪乗とともにA^-1の冪乗を利用したExtended Krylov部分空間に基づく射影法が注目されている. 本発表ではExtended Krylov部分空間の基底ベクトルに対する効率的な生成法を提案する.
Krylov部分空間法に基づく有理関数補間
*大迫尚行(愛知工科大学基礎教育センター)
有理関数補間において、補間条件から導かれる有理式の係数に関する同次線形方程式に対し、Krylov部分空間法に基づく解法を提案する。分子および分母の次数は、予め与える必要なく、反復終了時に定まる。
核融合プラズマシミュレーションコードGT5Dに現れる線形方程式に対するクリロフ部分空間法の収束性
*山田進(日本原子力研究開発機構), 井戸村泰宏(日本原子力研究開発機構), 今村俊幸(電気通信大学), 町田昌彦(日本原子力研究開発機構)
核融合プラズマシミュレーションコードGT5Dの時間発展は半陰的ルンゲクッタ法を用いて計算しているため、非対称な係数行列の線形方程式を解く必要がある。本研究ではこの方程式に対する前処理付きクリロフ部分空間法の収束性を調査する。
リーマン多様体上の共役勾配法およびその数値線形代数への応用
**佐藤寛之(京都大学大学院情報学研究科), 岩井敏洋(京都大学大学院情報学研究科)
ユークリッド空間において最急降下法より速い収束性を示すことが知られている共役勾配法が,どのように多様体上に拡張されるかを詳しく説明し,その収束性について議論する.また,固有値問題や特異値分解への適用例についての実験結果を示す.

8月29日 会場C 16:30-17:50 一般講演 計算幾何学

Hollow mask錯視と同じ効果を持つ新しい立体の数理設計法
**友枝明保(明治大学 / JST CREST), 杉原厚吉(明治大学 / JST CREST)

Hollow mask錯視は,へこんでいる顔がこちら向きに出っ張って見え,観察者の視点位置の変化に伴って顔が動いて見える錯視である.本講演では,これらの錯視と同じ効果が観察される新しい立体を自由に作成できる計算手法を紹介する.
Footstep Illusionを利用した錯視アートの試み
**小野隼(明治大学大学院先端数理科学研究科), 友枝明保(明治大学先端数理科学インスティテュート / JST CREST), 杉原厚吉(明治大学大学院先端数理科学研究科 / JST CREST)
フットステップ錯視(等速に動く黒と白の二つの長方形が交互に動いて見える錯視)の錯視量を決める条件を明らかにし,それを応用・発展させて,今までになかった多様な錯視が作れることを紹介する.
デザイナーの意図を考慮した描かれた曲線の数理的修正
*今井敏行(和歌山大学システム工学部)
デザイナーが描いた曲線はある種の微分方程式を満たす意図があることが知られている.本研究は描かれた曲線から計算機に取得されたデータを,十分な精度で美的なものに修正する方法を提案し実験結果を示す.
図形プログラムの入力退化とその対処
**山本修作(和歌山大学大学院システム工学研究科), 今井敏行(和歌山大学システム工学部)
入力図形の位置関係が特殊で例外的な処理が必要とされる退化に対して記号摂動法をオペレーターオーバーローディングで用いて対処することによって入力データのクラスを置き換えて退化に対して自動対処を実現する。

8月29日 会場D 9:00-10:00 研究部会OS 数理設計(1)

仮想領域法による有限要素解析に基づく温度制御問題に関する検討
**倉橋 貴彦(長岡工業高等専門学校)

温度制御問題に対する仮想領域法による有限要素解析の適用可能性について検討を行ったものである.
疲労強度特性を評価関数とする形状最適化
*竹内謙善(株式会社くいんと)
強度を評価関数とする形状最適化においては KS 汎関数 等の最大値の近似関数を用いる事が常套手段であるが, 複雑な疲労強度特性を評価する場合には,実際の最大値 と近似値との乖離が問題となる.本研究ではその乖離を 補正した新たな評価関数を提案する.
ポテンシャル問題におけるトポロジー導関数に関する考察
*山田 崇恭(京都大学), 泉井一浩(京都大学), 西脇眞二(京都大学)
ポテンシャル問題を対象として,一般の目的汎関数に対するトポロジー導関数の評価を行う.またトポロジー最適化への展開を行う.

8月29日 会場D 10:30-11:30 研究部会OS 数理設計(2)

格子ボルツマン法を用いた流体のトポロジー最適化
**米倉一男(株式会社IHI)

流体解析手法として格子ボツルマン法を用いた流体のトポロジー最適化手法を提案する。本手法では格子ボルツマン法により非定常流れを解く過程で、同時に設計変数を更新し、CFDの収束計算を行わずに最適化を行う。
ミニマックス型コスト関数を用いた形状最適化問題の構成法
**新谷浩平(名古屋大学大学院), 畔上秀幸(名古屋大学大学院)
構造部材の強度設計では部材に生じる応力の最大値を目標値以下とすることが求められる.本講演では応力の最大値を最小化する形状最適化問題を構成し,力法を用いることで目標を満たす形状が得られることを示す.
リンク機構の形状最適化
周 立人(名古屋大学), *畔上秀幸(名古屋大学)
リンク結合された線形弾性体の境界形状を設計対象にした最適化問題を構成し,その問題が可解であることを示す.評価関数には外力仕事,制約関数には体積を選んだときの形状微分の計算法と数値例を示す.

8月29日 会場D 13:30-14:50 研究部会OS 連続体力学の数理(1)

バネ・ブロック系における破壊モデル
*木村正人(九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所), 野津裕史(早稲田大学 高等研究所)

フェーズフィールドモデルのアイデアを,バネ・ブロック系に適用し破壊モデルを数学的に構築する試みについて,いくつかの数学的結果と数値計算例によって紹介する.
フェーズフィールドモデルを用いた経年変化による亀裂の解析
*高石武史(広島国際学院大学情報デザイン学部)
フェーズフィールドモデルを用いて,微小亀裂が経年変化によりどのように成長するか調べた.
演算子積分時間領域境界要素法を用いた2次元異方性弾性体中のき裂による散乱解析
**古川陽(東京工業大学大学院), 斎藤隆泰(群馬大学), 廣瀬壮一(東京工業大学)
表面力境界積分方程式に対して演算子積分時間領域境界要素法を適用し,2次元異方弾性体中に存在するき裂による散乱問題の解析を行う. 数値解析例として,き裂周辺の散乱波動場の時間変化を示す.
三次元電磁波動散乱問題に対する境界要素法における反復解法の高速化について
*新納和樹(京都大学), 西村直志(京都大学)
Maxwell方程式に支配される3次元電磁波散乱問題に対してPMCHWT定式化を用いた場合のCalderonの式に基づく前処理について述べる。表面電流と表面磁流に対して異なる基底を用いる前処理法を2種類提案する。

8月29日 会場D 15:00-16:00 研究部会OS 連続体力学の数理(2)

Lagrange物質座標によるNavier-Stokes方程式から粒子法を検討する
*服部元史(神奈川工科大学), 中島祐貴(神奈川工科大学), 殿岡芳規(神奈川工科大学), 村井駿介(神奈川工科大学), 瀬田陽平(神奈川工科大学), 石田愈(東京工業大学 名誉教授)

粒子法による流体力学シミュレーションの 時間発展スキームにおいては、 圧力と流速とを交互に計算する方法が一般的である。 Lagrange物質座標によるNavier-Stokes方程式の圧力項を 陽に表現しない形へ変換し、 その時間発展の安定性を考察する事で、 粒子法スキームの理論保証を検討する。
いくつかの異なる構成方程式を用いた粘弾性流れ問題の有限要素解析
*田上大助(九州大学IMI)
我々は, 粘弾性流れ問題の有限要素計算と, 基本的な線形構成方程式を用いた場合の誤差解析を行ってきた. 本講演では, いくつかの非線形構成方程式を用いた場合の流れの違いの様子やその誤差解析などについて述べる.
最近のFreeFem++
*大塚 厚二(広島国際学院大学)
パリ第六大学J.L.Lions研究所のO.Pironneau教授,F.Hecht教授が中心となって開発している有限要素解析システムFreeFem++について三次元問題が扱えるなど大きな動きがあったので,その点を中心に解説する。

8月29日 会場D 16:30-17:50 研究部会OS メッシュ生成・CAE

可視化を中心としたCAEプラットフォームの開発
**馮益祥((株)日立製作所 日立研究所), 片岡一朗((株)日立製作所 日立研究所), 野中紀彦((株)日立製作所 日立研究所), 小野寺誠((株)日立製作所 日立研究所)

CAE(Computer Aided Engineering)において、標準化が進化する一方、モデルの繊細化や複合現象への対応等によってデータが膨大化になりつつある。本講演では、大規模モデルに対応できる高速可視化機能を備えたCAEプラットフォームの開発について報告する。
Mean-shifted normal clustering in 3D mesh segmentation
**Yu Bo(明治大学), Maria Savchenko(明治大学), 萩原 一郎(明治大学)
Mesh segmentation has become an important step in model understanding and can be used as a useful tool for different applications, for instance, modeling and reverse engineering. Part decomposition gains attraction since it simplifies the problem with multi-part, complex objects into several sub problems each dealing with their constituent single, much simpler parts. Triangle meshes are the most common objects in computer graphics and computer aided design. Here we suggest an approach for automatically non-user dependent mesh segmentation based on clustering unit mesh normal vectors. A noisy point cloud is constructed by the projection of the end of normals into unit sphere. Clustering is produced for this point cloud. A filtering step based on mean shift is used to move the centers of clusters along the gradient of the kernel function to the maximum probability positions. The problem of over clustering is solved by merging multiplied clusters into meaningful parts according to variance between neighbor clusters. Mesh growing technique is applied for grouping topologically connected mesh elements. The proposed method allows to segment the noisy complex models as preprocess of CAD model generation, cooperative engineering and for other applications.
Minimazing a surface folding effect in mesh decimation
*Maria Savchenko(明治大学), Vladimir Savchenko(法政大学), 萩原 一郎(明治大学)
Finding the optimal decimation sequence is a complex problem. The traditional strategy is to find a solution that is close to optimal; this is a greedy strategy, which involves finding the best choice among all candidates. Our mesh decimation algorithm is based on an iterative procedure for performing decimation operations. The decimation step is based on the idea of selecting candidate edge for collapsing according to a specific local decimation cost of points belonging to the shaped polygon – bending energy. The main premise here is to use the bending energy and an optimal vertex placement as a measure to obtain the “best approximated surface” (in the sense of minimizing a surface folding effect) that allows the volume of a original model be conserved for accurate and stable numerical calculations. The proposed method consists of iteratively removing and optimizing lengths of mesh edges by using spline relaxation or smoothing technique, until no modifications occur. As result, the new mesh preserves the geometry of the surface and the shape quality of the mesh elements is improved.
デザイン最適化の効率化技術
*江澤良孝(東洋大), 高清水聖(東洋大), 坂崎宣人(東洋大), 吉田圭祐(東洋大)
最適化デザインのために開発した手法を紹介する.ひとつは遺伝的アルゴリズムの高速化に関する技術.もうひとつはサンプリング選択の技術.これらにより,複雑でサンプリングに時間のかかる問題への最適化デザインの実用化を図った.

8月29日 会場A 20:30-22:00 精度保証付き数値計算ワークショップ(1) 主催: 早稲田大学理工学総合研究所 協賛: 日本応用数理学会

Interval arithmetic over finitely many endpoints
*Siegfried M. Rump(Hamburg University of Technology)

Orbital stability investigations for travelling waves in a nonlinearly supported beam
*Michael Plum(Karlsruhe Institute of Technology)
We consider the fourth-order problem \varphi_{tt} + \varphi_{xxxx}+f(\varphi)=0, (x,t) \in R \times R^{+}, with a nonlinearity f vanishing at 0. Solitary waves \varphi=u(x+ct) satisfy the ODE u^{\prime \prime \prime \prime}+c^2 u^{\prime \prime} +f(u)=0 on R , and for the case f(u)=e^u-1, the existence of at least 36 travelling waves was proved in [Breuer, Hor\'ak, McKenna, Plum, Journal of Differential Equations 224 (2006)] by computer assisted means. We investigate the orbital stability of these solutions via computation of their Morse indicies and using results from [Grillakis, Shatah, Strauss, Journal of Functional Analysis 74 (1987)]. In order to achieve it we make use of both analytical and computer-assisted techniques.
Image processing and computational intelligence methods for computer-aided skin cancer diagnosis
*Maciej Ogorzalek(Jagiellonian University)
During the last two decades we have observed an amazing development of imaging techniques targeted for bio-medical applications. In the area of dermatology two types of specialized equipment have been developed for this purpose, namely the dermatoscope and the SIAscope. Images acquired using dermatoscopes can be stored and analyzed further by digital computers. Newer versions can be connected even to an iPhone or hand-held device such as a palmtop computer. Several companies produce hardware solutions for dermatologic diagnosis – one of such popular solutions is proposed by DermLite. In both techniques the digital image serves as a basis for medical analysis and diagnosis of lesions under consideration. As there is a general lack of precision in human interpretation of image content, advanced computerized techniques can assist doctors in the diagnostic process (European Consensus 2009). Several companies offer complex software solutions – let us mention here only a few, such as: Mole Expert, MoleMAX, and DDAX3 etc. In this talk we review some of the now standard methods of image processing for melanoma diagnosis and also introduce new methods based on color decompositions used in video and TV image processing as well as new spatial and frequency information found in the skin texture. The most promising methods are those decomposing different frequency scales of the texture. Such multi resolution analysis is well suited to determine distinctive signals characterizing the class of lesions. The performance is tested on two types of features extracted from pigmented lesion images: color/geometric features, and wavelet-based features. Classification performance is summarized.

8月30日 会場A 9:00-10:00 研究部会OS 数理ファイナンス(1)

Randomized Merton モデルおよびその改良に基づく社債スプレッドの実証分析
瀬戸口 智美(損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社), *中川 秀敏(一橋大学大学院国際企業戦略研究科)

Yi et al.(2011)が提唱したRandomized Mertonモデルおよびその改良モデルに基づいて、社債の理論スプレッドの具体的な算出法を検討し、実証分析結果を紹介する。
Credit Risk Modeling with Delayed Information
*足立高徳(一橋大学), 三浦良造(一橋大学), 中川秀敏(一橋大学)
構造型信用リスクモデルに不完全性を導入する手立てとして情報遅延について研究した. 時刻tに観測された事象が実際に生じた時刻をm_tとするとき,m_tを確率過程と捉える自然な方法とその過程によって変調された情報増大系を定義した. また倒産可能な証券の価格付けへの応用を考察した.
カテゴリの「安定性」を考慮したトップダウン型強度モデルの提案と信用リスク評価への応用
*山中 卓(三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)), 杉原 正顯(東京大学), 中川 秀敏(一橋大学)
トップダウンアプローチによる信用リスク評価に関して、評価対象となる発行体カテゴリの信用力の安定性を反映した信用イベント発生強度細分化モデルを提案する。

8月30日 会場A 10:30-11:50 研究部会OS 数理ファイナンス(2)

マルチスケールの確率ボラティリティをもつBlack-Scholesモデル
*成田 清正(神奈川大学 工学部)

Black-Scholesモデルにおけるリスク資産の確率ボラティリティが、フラクショナルブラウン運動の影響を受けて急速、遅速に平均回帰するOrnstein-Uhlenbeck過程の関数である時、ヨーロピアン・コールオプションの価格付け問題を考察する。
公的年金の負債特性を考慮した積立金運用について~実質的な運用利回りの確保と効率的な資金運用の考察~
**山本零(三菱UFJトラスト投資工学研究所), 上崎勝己(三菱UFJ信託銀行), 笠島久司(野村アセットマネジメント)
公的年金の給付は賃金上昇率、物価上昇率に応じて変動するため、年金積立金運用は物価や賃金の変動リスクを負っている。本研究では、これらのリスクを考慮した最適な年金積立金の運用方法を数理的技術を用いて検討する。
漸近展開法を用いた確率微分方程式の強近似とマルチレベルモンテカルロシミュレーションへの応用
**山田俊皓(東京大学、三菱UFJトラスト投資工学研究所), 田中秀幸(立命館大学)
漸近展開法を用いて確率微分方程式の強近似の精度を上げる方法を報告する。 また、Gilesにより導入されたマルチレベルモンテカルロ法に我々の方法を適用し、 数値計算により有効であることを確認する。
株式市場でトレンドを持って変動する板の厚みについての考察
*宮城 智一(筑波大学社会工学類), 李もう(ハルビン工業大学), 岸本一男(筑波大学システム情報系)
株式市場では「価格は板が厚い方に動く」ということわざがある.李もうらは大阪証券取引所での板の厚みでこの事実を検証している.本発表ではそのメカニズムについて検討する.

8月30日 会場A 13:30-14:30 研究部会OS 数理ファイナンス(3)

グラフィカルモデルを用いた日本の金融時系列の相関分析
**石谷謙介(首都大学東京都市教養学部経営学系), 山中卓(三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC))

時系列データの相関の特性を、グラフィカルモデルを用いて分析・表現する方法が知られている。本発表では日本の金融時系列データの相関に関して、最小全域木を用いて分析した結果を紹介する。
Wavelet変換を用いたオペレーショナルリスクの解析的評価方法
**石谷謙介(首都大学東京都市教養学部経営学系)
本発表ではWavelet変換のアプローチに基づき, バーゼルII自己資本規制の先進的計測手法(AMA)におけるオペレーショナルリスク相当額(99.9%VaR)を高速・高精度に計算する解析的手法を紹介する.
バリアオプションの漸近展開公式について
**山田俊皓(東京大学、三菱UFJトラスト投資工学研究所), 加藤恭(大阪大学), 高橋明彦(東京大学)
本発表ではディリクレ問題の偏微分方程式の解の漸近展開をバリアオプションのプライシングに応用し, 近似公式とその数値計算例を紹介する。

8月30日 会場B 9:00-10:20 研究部会OS 機械学習

変分ベイズ法の理論解析---欠損値なし行列分解の場合
*中島伸一((株)ニコン)

確率的主成分分析や縮小ランク回帰モデルに代表される行列分解モデルにおいて、変分ベイズ法の解析解とその振る舞いに関する近年の成果を紹介する。
機械学習における非凸最適化のためのホモトピー法
*竹内一郎(名古屋工業大学), 小川晃平(名古屋工業大学), 杉山将(東京工業大学)
本講演では機械学習におけるあるクラス非凸最適化問題の最適化アルゴリズムについて議論し, ホモトピーを利用したアルゴリズムを提案する. 提案法の特徴を理論的、および, 実験的な側面から議論する.
テンソル分解による多項関係予測
*鹿島久嗣(東京大学)
ソーシャルメディア等のWebサービスをはじめとする様々な場面において登場する、複数の異なるオブジェクトの間の関係を予測するための機械学習法について述べる。
密度比推定による機械学習
*杉山将(東京工業大学)
本講演では,非定常環境適応,外れ値検出,特徴抽出,確率的パターン認識など, 様々な機械学習タスクを統一的かつ精度良く解決できる「密度比推定」の枠組みを紹介する.

8月30日 会場B 10:30-11:30 一般講演 常微分方程式

4段4次実効公式について
*大野博(茨城大学工学部)

常微分方程式の初期値問題の数値計算法の一つであるルンゲークッタ法を変形したものである。これを実効公式という。4段4次の離散化誤差や安定性について考える。
埋め込み型陰的Runge-Kutta法について
*幸谷智紀(静岡理工科大学)
実用的なODEソルバーには精密な誤差評価が低コストで実現できる埋め込み型Runge-Kutta公式が用いられることが多い。本講演では高次陰的Runge-Kutta法に対して自動的に埋め込み型公式を与える方法を述べる。
Van der Pol方程式による睡眠覚醒モデルの数値解析
*江崎 信行(豊田工業高等専門学校), 近江 佑梨(豊田工業高等専門学校), 三井 斌友(同志社大学理工学部)
生物の睡眠覚醒リズムの数理モデルは、van der Pol方程式で記述できるが、一般にvan der Pol方程式は硬い常微分方程式であり、数値的に解く場合に問題となる。本研究では、記述したモデル化方程式の数値解について、妥当性を検証する。

8月30日 会場B 13:30-14:30 一般講演 確率微分方程式

1次元確率微分方程式に対する広い安定領域を持つ数値計算法
*石森 勇次(富山県立大学工学部教養教育数学)

1次元自励系の確率微分方程式に対して,系の散逸性を考慮した数値計算法を提案しその安定性を論じる。提案した計算スキームは,ミルスタイン法やホイン法に比べて,広い安定領域を持つ。
強い意味で 1 次の確率ルンゲ・クッタ・チェビシェフ法
*小守良雄(九州工業大学), Kevin Burrage(オックスフォード大学)
非可換な確率微分方程式 (SDE) に対する陽的ルンゲ・クッタ法を提案する.本解法は,伊藤型,または,ストラトノビッチ型 SDE に対して強い意味で 1 次であり,確率項が零ならばチェビシェフ法と一致する.
ストラトノヴィチ型確率微分方程式に対するθ・ミルシュテイン法の数値的安定性
*齊藤善弘(岐阜聖徳学園大学 )
ストラトノヴィチ型確率微分方程式に対して, 強い1次の近似解法にθ・ミルシュテイン法がある. 講演では,θ・ミルシュテイン法の平均二乗安定性と 漸近安定性を調べ,得られた結果を述べる.

8月30日 会場C 9:00-10:20 研究部会OS 科学技術計算と数値解析(1)

構造保存有限要素法とその適合格子への拡張
**宮武勇登(東京大学大学院情報理工学系研究科), 松尾宇泰(東京大学大学院情報理工学系研究科)

本発表では,まず,偏微分方程式に対して,保存則や散逸則を担保する有限要素スキームの自動的な導出法を提案する. 次に,より効率的な数値計算を目指し,上記の手法に,動的に格子を変化させる技巧を組合せられることを示す.
ホロノミック系に対するラグランジュ力学的離散勾配法
**谷口隆晴(神戸大学大学院システム情報学研究科)
講演者は,近年,Euler-Lagrange 偏微分方程式に対して ラグランジュ力学に基づくエネルギー保存数値解法導出法を開発してきた.この方法は,当然,常微分方程式にも適用可能であるが,本発表では,特に,ホロノーム拘束をもつような系に対する,この方法の応用について述べる.
回転機械における電磁場過渡解析
*金山 寛(九州大学 大学院 工学研究院), 杉本 振一郎(東京大学 大学院 工学系研究科), 寺田 成吾(九州大学 大学院 工学府)
本講演では回転機械における電磁場過渡解析について考察する。単純モデルをまず取り上げ、次に3相交流が流れる誘導電動機を対象とする。1CPU用に開発されたNEXST_Magneticを用い、回転部分をどのように扱うかについて考察する。
不連続ガレルキン法のレリッヒ型離散コンパクト性に関連したL^p強収束
*菊地 文雄(一橋大学大学院経済学研究科), 小山 大介(電気通信大学大学院情報理工学研究科)
先に2次元の不連続ガレルキン法について,レリッヒ型の離散コンパクト性を導いた.すなわち,H^1的分割依存ノルムでみて有界な関数族において,1階微分の近似はL^2弱収束し,関数自体はL^2強収束する部分族の存在を示した.今回,この証明の不備な点を補うと共に,L^p(1 <= p < \infty)でも強収束することを示す.これにより,半線形問題などへの応用の理論的裏付けが可能になると考えられる.

8月30日 会場C 10:30-11:50 研究部会OS 科学技術計算と数値解析(2)

波動方程式における複数の移動点波源のリアルタイムな推定法
*大江貴司(岡山理科大学理学部), 大中幸三郎(大阪大学)

3次元波動方程式のソース逆問題において、未知の移動点波源が複数存在する場合を考え、これらの個数、位置、強度を推定する問題について考察する。 この問題に対し、Ohe-Inui-Ohnaka (Inverse Problems, 2011) で提案された reciprocity gap functional を利用し、これらの未知量をリアルタイムに推定する方法を提案する。
Fourier変換に基づいた分布関数の数値計算
*田中健一郎(公立はこだて未来大学)
金融派生商品の価格計算において,確率モデルでモデル化された資産価格などの確率分布を求めることは基本的な問題である.本研究では,Fourier変換に基づいた方法で分布関数を高精度計算する方法を提案し,既存の方法と比べて裾部分の精度が改善することを示した.
2次元ポテンシャル問題に対する双極子法における点配置について
*緒方秀教(電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・通信工学専攻)
講演者は2次元ポテンシャル問題(ラプラス方程式)に対し、代用電荷法で点電荷の代わりに電気双極子の重ね合わせで解のポテンシャルを近似する方法を提案し、円板領域問題に対する数値実験でその有効性を示した。本講演では、一般の単連結領域における問題に対し適切な双極子等の配置の仕方を提案する。
代用電荷法に関する一注意
**嘉指圭人(東京大学大学院 情報理工学系研究科), 杉原正顯(東京大学大学院 情報理工学系研究科)
代用電荷法を3次元領域において適用した場合,その誤差解析は知られていなかった.本発表では,その誤差の指数的減衰・更にはある種のロバストネスが,球面上の補間理論において進められたある誤差解析によって説明されることを指摘する.

8月30日 会場C 13:30-14:30 研究部会OS 数理政治学

原理政党存在下での政党の政策位置の解析とその検証
*佐藤達己(筑波大学), 岸本一男(筑波大学)

通常の空間的投票理論では、政党は有権者からの得票最大化を目指して自党の公約を決定するとモデル化されている。本研究では、政権獲得よりも自党の主張を優先する政党が1つあった場合の解を解析する。
議席配分問題とスケジューリング問題
*大山達雄(政策研究大学院大学), 小林和博(海上技術安全研究所)
議席配分問題は古くから多くの研究者が議論、挑戦しているものの、未だ完全な解決案が得られていない難しい問題である、本講演ではこれまでに提起された各種の議席配分方法のスケジューリング問題への応用を紹介する。
除数方式と離散最適化(単純制約・分離狭義凸関数の最小化)との関係
*一森 哲男(大阪工業大学)
すべての除数方式を単純制約のもと分離可能な狭義凸関数の離散最小化として定義できるが,その逆は成り立たない.そこで,その逆が成り立つための必要十分条件を与える.この結果は新規である.

8月30日 会場D 9:00-10:20 研究部会OS 数理医学(1)

MREの局所複素波動ベクトル同定法とその応用
*吉川功剛(北海道大学)

MR Elastography(MRE)は、外部より振動を与えて弾性率分布等をMRIで測定する手法である。 解析手法として局所複素波動ベクトル同定法を提案する。実測実験データから貯蔵弾性率や損失弾性率を求める方法を示す。
脊髄誘発磁場分析におけるDSSによるノイズ除去
**佐藤 真(大阪大学大学院基礎工学研究科), Nuanprasert Somchai(大阪大学大学院基礎工学研究科)
脊髄誘発磁場分析(MSG)は,脊髄神経が誘発した磁場を測定・分析し,脊髄の電気的活動を推定する技術である.我々はDSS(Denoising Source Separation)によるノイズ除去をMSGに適用し,加算平均のみに基づく従来のノイズ除去に対する優位性を示した.
Numerical estimate of the growth of metastasis to the lung or to the liver using image-based simulations
*Thierry Colin(ボルドー大学第1)
In the last few years there have been dramatic increases in the range and quality of information available from non-invasive medical imaging in oncology. These multimodal data help the decision process of oncologists in the definition of therapeutic protocols. At present, this decision process is mainly based on previously acquired statistical evidence and on the practitioner experience. There are two blocking difficulties in this approach that we want to attack: i) previous statistical information is not patient specific; ii) there exist no quantitative mean of summarizing and using as predicting tools the multimodal patient-specific data. The goal of this talk is to present how we can provide patient-specific simulation tools to help to answer to the crucial questions for a clinician: When to start a treatment? When to change a treatment? When to stop a treatment? Our approach is deterministic and spatial: it is based on solving an inverse problem based on imaging data. Models are of partial differential equation (PDE) type. They are coupled with a process of data assimilation based on imaging. We will present some results on metastasis to the lung and to the liver.
Modelling of Migration of Endothelial Cells on Bioactive Micropatterned Polymers
Thierry Colin(Univ. Bordeaux), Marie-Christine Durrieu(CNRS), Julie Joie(Univ. Bordeaux), Yifeng Lei(Univ. Bordeaux), Youcef Mammeri(INRIA), **Clair Poignard(INRIA), Olivier Saut(CNRS)
A macroscopic model describing endothelial cells migration on bioactive micropatterned polymers is presented in this talk. The model is based on a system of partial differential equations of Patlak-Keller-Segel type that describes the evolution of the cell densities. The model is studied mathematically and numerically. We prove existence and uniqueness results of the solution to the differential system and also that fondamental physical properties such as mass conservation, positivity and boundedness of the solution are satisfied. The numerical study allows us to show that the model behaves in good agreement with the experiments.

8月30日 会場D 10:30-11:50 研究部会OS 数理医学(2)

Numerical simulations for cell deformation
**Mahemuti Rouzimaimaiti(Graduate School of Engineering Science, Osaka University)

Cancer cell invasion is the major cause of cancer death. Invasive cancer cells can intercalate the surrounding Extra Cellular Matrix (ECM) and establish their secondary tumor in distance organ after finishing their journey in vessels. Many mathematical researches are being implemented to observe the invasive mechanism of cancer cells and to evaluate the experimental data. Actually invadopodia, invasive feet on cancer cell membrane, is rich in actin which is able to form actin filaments. In our research we will use hybrid technique to conduct simulations on actin networks to find out the mechanism of polymerization, branching mechanism of actins.
Control and Inhibition Analysis of Complex Formation Processes
**齋藤卓(大阪大学基礎工学研究科)
たんぱく質の複合体形成過程に対し適用可能な, 最も阻害効率のよい相互作用を同定する阻害解析法を解説する. さらに, がん浸潤に関わる複合体形成過程に解析法を用い, 薬剤標的とするべき相互作用の同定を行う.
核と細胞質の間で振動する転写因子NF-kBの生物学
*井上純一郎(東京大学医科学研究所)
転写因子NF-kBは、正常な免疫応答、骨代謝等に必須であり、その制御異常は種々の疾患を発症する。最近、NF-kBのRelBが核と細胞質との間で振動することを見出したので、報告する。
転写因子NF-kB振動の数理モデル
**大島大輔(東京大学医科学研究所腫瘍数理分野), 井上純一郎(東京大学医科学研究所分子発癌分野), 市川一寿(東京大学医科学研究所腫瘍数理分野)
転写因子NF-kBは細胞外の刺激に応じた遺伝子発現をする際,核に移行し振動する.我々は3次元空間的な数理モデルを作製し,空間的なパラメータが振動現象に重要であることを報告する.

8月30日 会場D 13:30-14:50 研究部会OS 数理医学(3)

ストレス顆粒の形成・維持・消滅の力学
*市川一寿(東京大学医科学研究所腫瘍数理分野)

細胞はさまざまなストレスを受け、ストレス顆粒と呼ばれるRNAやRNA結合タンパク質からなる集合体を形成する。ストレス顆粒形成のメカニズムとそのダイナミクスのシミュレーション結果を報告する。
転写因子NF-kappaBの持続的活性化機構
*山岡昇司(東京医科歯科大学)
転写因子NF-kappaBの活性化は一過性と持続性に分類され、シグナル伝達を担う正負の制御因子の挙動が異なることが予想される。炎症、腫瘍などの生命現象に深くかかわる持続的活性化機構の解析結果を紹介する。
直鎖状ユビキチン鎖形成とNF-κBシグナル伝達
*徳永文稔(群馬大学生体調節研究所)
本講演では、ユビキチンのN末端を介して数珠状に連結する新規「直鎖状ユビキチン鎖」の生成反応メカニズムと炎症・免疫応答を司るNF-κBシグナル伝達の制御における役割、その破綻が引き起こす病態を紹介したい。
分子動力学シミュレーションから調べるタンパク質のダイナミクス
*石谷隆一郎(東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻)
生命現象の解明には,タンパク質など生体高分子の原子レベルにおけるダイナミクスを理解することが必須であるが,それを可能とする手法の一つとして分子動力学シミュレーションがある.本講演では,分子動力学シミュレーションのタンパク質への応用について発表する.

8月30日 会場A 15:00-15:20 表彰式

8月30日 会場A 15:30-17:30 総合講演

新時代の工学教育の流れとその強化策
*篠田 庄司(早稲田大学理工学術院理工学研究所)

2009年6年18日京都で開催された国際エンジニアリング連合(International Engineering Alliance; IEA)の総会で、人々の必要を満たし、経済を発展させ、また、社会にサービスを提供するために、高等教育機関で4~5年の工学教育の学習で身に付ける、専門学力(数学と自然科学の知識、その上に築かられた応用科学的知識体系)、その学力の実践で発現する実践力、ならびに広い教養を用いて、公衆の健康・安全への考慮、文化的、社会的及び環境的な考慮を行い、設計、開発、イノベーション又は解決の活動を担う専門的な人材の育成に求められる教育要件の合意文書が承認された。その合意文書は今後、国際的に、工学教育の改革と改善に不可欠な効果を生む。その本質部分と関連の歴史的経緯について、紹介し、今後の方向について述べる。今年、エリザベス女王IIの在位60年のダイアモンド・ジュビリーの祝賀が行われた英国で、産業革命の発祥地であることを誇り、世界で人類に大きく貢献する工学的な成果を挙げた人を対象とする、ノーベル賞並みの賞金の「エリザベス女王賞」が創設され、来春、第1回目の授与式が行われる。今後、世界的に、工学とその応用への関心が高められることになろう。
共生する連続と離散
*高橋 大輔(早稲田大学)
連続と離散,あるいはアナログとデジタルは相反する概念として捉えられることが多い. しかしながら,離散過程の連続体近似や微分方程式の数値計算などに見られるように,連 続と離散がともに同じ対象を指し示していたり,一方を他方のために利用したりすること もよくある. 本講演では,ソリトン系やカオス系など種々の非線形系について,微分・差分・セルオ ートマトンといった異なる離散性をもつ方程式表現が相互に直接的かつ厳密な関連を持 ち,全く同じ数理構造を共有しているという事例を紹介する.特に,2進デジタル系のよ うな完全離散系に対する新しい視点や展望に重点をおいて解説する予定である.
計算トポロジーとその応用について
*荒井 迅(北海道大学)
「形」や「空間」が持つ性質のうち、空間をぐにゃぐにゃと連続変形しても 変わらないものをトポロジカルな性質という。計算トポロジーとは、データ として与えられた空間のトポロジカルな性質を、何らかの不変量を計算機で 具体的に計算することで抽出しようという研究分野である。その応用範囲は 近年加速的に拡がっており、データマイニングや画像処理といった分野でも 注目されている。本講演では、計算トポロジー理論の基本的なアイディアと、 カオス理論や流体力学、センサーネットワークなどへの応用を解説する。

8月30日 会場D 17:30-18:50 ポスター講演

複雑形状に対する拡張境界節点法の精度向上
*宮下 健太(兵庫県立大学大学院工学研究科), 齋藤 歩(兵庫県立大学大学院工学研究科), 伊東 拓(成蹊大学理工学部), 神谷 淳(山形大学大学院理工学研究科), 上浦 尚武(兵庫県立大学大学院工学研究科), 松井 伸之(兵庫県立大学大学院工学研究科)

拡張境界節点法は,積分セルを必要としないメッシュレス法である.本講演の目的は,対象領域の形状が複雑である場合の同法の精度劣化を軽減する方法を提案し,その性能を評価することである.数値計算の結果,従来法に比べて提案法が解の精度を改善することを示した.
ショウジョウバエの中腸幹細胞の増殖と分化について
*桑村雅隆(神戸大学発達科学部)
ショウジョウバエの中腸幹細胞の増殖と分化は、主にNotchシグナルとWntシグナルによって制御されていることが知られている。ここでは、常微分方程式系による数理モデルを用いて、この増殖と分化が恒常性(ホメオスタシス)をもっていることを説明する。
腹足類の這行運動メカニズムにおける粘液の摩擦制御効果
*岩本 真裕子(明治大学), 小林 亮(広島大学/JST CREST), 上山 大信(明治大学)
カタツムリやアワビなどの腹足類における這行運動では、足から常時分泌されている粘液の特殊な動的粘弾性特質が、地面との摩擦制御機構として大きな役割を果たしていることを数理モデルとシミュレーションにより明らかにする。
半導体における量子エネルギー輸送モデルの数値シミュレーション
*鍾菁廣(大阪大学情報科学研究科), 小田中紳二(大阪大学サイバーメディアセンター)
量子流体方程式の拡散スケーリングによって得られる量子エネルギー輸送(QET)方程式について、我々は新たに4-moments QETモデルを導出した。本講演では4-moments QETモデルの導出とその数値シミュレーション結果を与える。
波動方程式における単一の移動点波源の代数的同定法
*中口 悦史(東京医科歯科大学教養部), 乾 裕一(大阪大学大学院工学研究科), 大中 幸三郎(大阪大学大学院工学研究科)
3次元波動方程式において単一点波源の位置と強度を同定する問題に対し,未知パラメータと遅延ポテンシャルおよびその偏導関数の観測値との間に成立する代数的関係式の固有値問題に帰着させる直接的解法について示す。
非一様な興奮場におけるスパイラル波の発生に関するシミュレーション解析
*立石 恵大(明治大学大学院 先端数理科学研究科), 木下 修一(明治大学 研究・知財戦略機構), 上山 大信(明治大学大学院 先端数理科学研究科), 末松 J. 信彦(明治大学大学院 先端数理科学研究科), 岩本 真裕子(明治大学大学院 先端数理科学研究科)
我々は細胞間の興奮波伝播を表すモデルとして興奮性を表すFitzHugh – Nagumo方程式が空間離散的に拡散結合したモデルを考え、空間非一様な興奮場におけるスパイラル波発生のメカニズムに関する研究をおこなってきた。本講演では、主に数値計算結果を示すとともに、非一様な興奮場におけるスパイラル波の発生について考察する。
2次元SKT交差拡散方程式の定常解・安定性の数値的考察
*森竜樹(龍谷大学大学院理工学研究科数理情報学専攻), 四ツ谷晶二(龍谷大学理工学部)
Shigesada-Kawasaki-Teramotoにより提唱された交差拡散方程式の定常解とその安定性について,特殊な場合ではあるが,最近,Lou-Ni-Yotsutaniによって多次元の場合も含めて理論的な結果が得られた.ここでは一般的な状況ではどうなっているかについて数値的に考察する.
飽和多孔質弾性体における演算子積分時間領域境界要素法を用いた波動解析
*近澤 文香(東京工業大学大学院 情報理工学研究科 情報環境学専攻), 斎藤 隆泰(群馬大学大学院工学研究科  社会環境デザイン工学専攻), 廣瀬 壮一(東京工業大学大学院 情報理工学研究科 情報環境学専攻)
飽和多孔質弾性体中では,波速の異なる複数の波動が存在し,かつそれらは分散性を持つ.そのため,時間領域基本解が求まらず,従来の時間領域境界要素法では定式化が困難である.そこで,本研究では,飽和多孔質弾性体中における新しい時間領域境界要素法を開発する.
シフト線型方程式のクリロフ部分空間法のスカラー化とその時間依存密度汎関数理論への応用
*篠原康(筑波大), 二村保徳(筑波大), 矢花一浩(筑波大), 櫻井鉄也(筑波大)
シフト線型方程式のクリロフ部分空間法にある種のスカラー化を施すことで計算コストと使用メモリを大幅に削減した。
三角形の螺旋タイリングと折り紙
*須志田隆道(龍谷大学大学院理工学研究科), 日詰明男(龍谷大学理工学部), 山岸義和(龍谷大学理工学部)
三角形の螺旋タイリングはひまわりや松笠などに見られる葉序の理論と密接な関係がある。本講演では、三角形の螺旋タイリングの理論的な話題とその折り紙に関する話題について最新の研究成果を報告する予定である。
Minimal Variance Hedging of Natural Gas Options
*Roy Nawar(University of Sydney, Department of Applied Mathematics.), Christian Ewald(University of Glasgow, Director, Center for Economic and Financial Studies.), Tak Kuen Siu(Macquarie University,Co-Director Centre for Financial Risk - Department of Applied Finance and Actuarial Studies.)
We consider the hedging of European options on natural gas futures, where prices exhibit jumps. We provide an expression for the hedging strategy which minimizes the variance of the terminal hedging error.
粘菌の数理モデルシミュレーションによる問題解決の効率
*若林政光(東京工業大学大学院生命理工学部), 青野真士(理化学研究所), 原正彦(理化学研究所), 中村振一郎(理化学研究所)
粘菌の光制御による巡回セールスマン問題の解探索を相互作用する非線形振動子の数理モデルに基づいてシミュレーションし、振動モードと解決効率との関係を明かにしてゆく。
毛細血管の二酸化炭素除去の数理モデルとその解析
*新城直幸(龍谷大学大学院理工学研究科数理情報学専攻), 森田善久(龍谷大学)
現在医療の進歩により血管内や臓器,脳などの生理学的メカニズムの解析が進んでいる.本研究ではKeener-Sneyd(1998)により提案された二酸化炭素の輸送モデルを基に,換気による肺胞内の二酸化炭素濃度を維持する機能を付け加えた数理モデルについて,二酸化炭素が除去される仕組みを数理的に調べる.さらに,このモデルの数値シミュレーションから肺胞の機能が与える影響を数理的に示唆できる.
ノイズ画像に対する複素モーメントを用いたエッジ検出
*祖平明夫(筑波大学), 櫻井鉄也(筑波大学)
ノイズ画像に対して複素モーメントによるエッジ抽出を行う。様々な画像に対して他の手法との比較を行い、その性質を示す。
GPUを用いたMeshless Time Domain Method の高速化 -任意形状導波路内電磁界解析への適用-
上田 信行(東京工科大学大学院), 藤田 宜久(東京工科大学大学院), *生野 壮一郎(東京工科大学コンピュータサイエンス学部)
Meshless Time Domain Method(MTDM) とは解析にメッシュを必要としない手法である.MTDMは問題の大規模化に伴い計算に多大な時間を要する. 本研究の目的は MTDM を GPU 上で計算することにより解析の高速化を図ることである.
EFG法から得られる連立1次方程式に対する反復解法の検討
*大石庸介(東京工科大学大学院), 藤田宜久(東京工科大学大学院), 生野壮一郎(東京工科大学コンピュータサイエンス学部)
Element Free Galerkin法(EFG法)から得られる連立1次方程式をKrylov部分空間法を用いて計算する場合,係数行列の性質により収束解が得られないことがある. 本研究では,境界条件の導入方法や積分精度の違いによる収束性を考察し,EFG法に適した解法の検討を行う.
DMネットワーク上でのBraess's Paradoxに関する一考察
*豊田規人(北海道情報大学), 西出充伸(北海道情報大学), 真田勇也(北海道情報大学)
この研究では,スモールワールドネットワークにおいて,元来のBraessのパラドックにおけるように入口と出口が別所にある場合を解析的及び数値的に考察し,複雑ネットワークの場合にもBraess的なパラドックスが生じることを示す.
compact WY 直交化法の計算量を削減する実装について
*石上 裕之(京都大学大学院情報学研究科), 木村 欣司(京都大学大学院情報学研究科), 中村 佳正(京都大学大学院情報学研究科)
ベクトル列の高速な再直交化計算アルゴリズムであるcompact WY 直交化法において、ある種の数学的構造に注意することで、計算量や使用メモリ量を減らすことができる。本発表では、この新しい実装により再直交化を伴う逆反復法が高速化されることを示す。
対面方向から来た人のよけ方の割合の変化
*吉川賢太(茨城大学), 柳澤大地(茨城大学)
本研究では、狭い歩道や廊下で対面方向から来た人のよけ方(右よけ・左よけ)の割合の変化を、進化ゲーム理論による解析やセルオートマトンを用いたシミュレーションによって調べ、道が混雑しているとよけ方が統一され易いという結果を得た。
ロウソク振動子における同期現象の数理解析
*宮崎誉広(金沢大学自然化科学研究科数物科学専攻), 長山雅晴(北海道大学電子科学研究所,JST CREST), 北畑裕之(千葉大学大学院理学研究科,JSTさきがけ), 井倉弓彦(広島大学 大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻GCOE研究員)
ロウソク振動子と呼ぶばれるロウソク火炎の振動現象が知られており,この振動子を2組並べた場合に同期現象が観測されている.この同期現象を数理的に理解するために数理モデルを構成し,その数理解析を行い,同期現象のメカニズムを明らかにした.
Runge-Kutta法を用いた演算子積分時間領域境界要素法及び3次元スカラー波動問題への応用
*丸山泰蔵(東京工業大学大学院), 斎藤隆泰(群馬大学大学院), 廣瀬壮一(東京工業大学大学院)
近年,演算子積分時間領域境界要素法が開発され,様々な問題へ適用されてきた.定式化には線形多段法を用いた手法がこれまでに提案されてきたが、さらなる精度の向上のため,本研究では,陰的Runge-Kutta法を用いた定式化を導入する.数値解析例として,3次元スカラー波動問題に適用した例を示す.
周回積分を用いた固有値解法における線形方程式求解アルゴリズムとその電子状態計算への応用
*二村保徳(筑波大学), 櫻井鉄也(筑波大学), 古家真之介(東京大学), 岩田潤一(東京大学)
周回積分を用いた固有値解法では複数シフト・複数右辺ベクトルの線形方程式の求解が必要となる.本講演では複数シフト・複数右辺ベクトル向け共役勾配法とそのキャッシュ効率の高い実装を提案し,京コンピュータを用いた第一原理電子状態計算への応用例を示す.
非圧縮性流体の変分原理を用いた定式化と粒子法による流体解析
*宮本 卓哉(早稲田大学大学院), 吉村 浩明(早稲田大学)
ラグランジュ記述に基づく陽的な流体解析法としてSPH法が知られている.本研究では,変分原理を用いた粒子法の定式化を行い,スパースタブロー法による陰的なラグランジュ系による数値積分法を提案する.
totally nonnegative 行列の 最小固有値の下界について
*山下 巧(京都大学大学院情報学研究科), 木村 欣司(京都大学大学院情報学研究科), 中村 佳正(京都大学大学院情報学研究科)
上二重対角行列と下二重対角行列から成る行列積の形で表わされるある種の totally nonnegative 行列に対し、その最小固有値の下界を求める計算方法を与える。また、この下界の計算コストについても論じる。
Scilabにおける疎行列向け高精度演算の実装と評価
*吉川慧子(東京理科大学大学院 理学研究科), 斉藤翼(東京理科大学大学院 理学研究科), 石渡恵美子(東京理科大学), 長谷川秀彦(筑波大学)
Scilabにおいて疎行列データ型向けの4倍・8倍精度演算環境を構築し,大規模行列に対するメモリの削減や高速化を実現した.本発表ではCG法を例に,高精度演算環境MuPATにおける密行列データ型と今回構築した疎行列データ型との比較を行う.
ネットワークシンプレックス法の巡回を防ぐヒューリスティックス
*米田彩香(同志社大学大学院理工学研究科), 渡辺扇之介(同志社大学大学院工学研究科), 渡邊芳英(同志社大学)
最小費用流問題を解くネットワークシンプレックス法は巡回という現象が頻繁に起こるアルゴリズムである.この巡回を防ぐ方法はいくつか知られているが,煩雑である.本発表では巡回を防ぐ新たな方法を実験的考察に基づき提唱する.
Mathematical model of bone remodeling based on antagonistic adaptability
*山口将大(明治大学), 手老篤史(九州大学), 中垣俊之(はこだて未来大学)
骨は絶えず自ら破壊と再生を繰り返すリモデリングによって、力学ストレスに応答しその構造を変化させている。その動力学を拮抗する適応要素によるせめぎ合いという形で記述したシンプルなモデルが、ヒト大腿骨の特徴的な梁構造と骨粗鬆症への遷移を再現することを示す。
速度のばらつきが一次元確率セルオートマトンモデルの流量に及ぼす影響ついて
*柳澤 大地(茨城大学 理学部), 江崎 貴裕(東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻), 友枝 明保(明治大学 研究・知財戦略機構 / JST, CREST), 西成 活裕(東京大学 先端科学技術研究センター)
本講演では、パラレルアップデートの一次元確率セルオートマトンモデルにおいて、個々の粒子の平均速度を固定して、ばらつきのみを変化させる方法を紹介し、速度のばらつきが流量に及ぼす影響について述べる。
s2s-OVCAの基本図と定常解
*宇治野秀晃(群馬工業高等専門学校), 矢嶋徹(宇都宮大学工学研究科)
CAタイプの最適速度模型にスロースタート効果を組み入れたs2s-OVCAの基本図の特徴を,このモデルの定常解を用いて説明する.
創傷治癒実験時におけるMDCK細胞運動の数理モデル
*澤武裕輔(金沢大学大学院自然科学研究科), 長山雅晴(北海道大学電子科学研究所), 三浦岳(京都大学大学院医学研究科), 北畑裕之(千葉大学大学院理学研究科)
培養したMDCK細胞に対して創傷治癒実験を行うと、細胞集団は除去された部分に向かって特徴的な運動を見せる。本講演ではこの現象が起こる要因を考察し、数理モデルによる再現を目指す。
Numerical Simulation on the Temporal Development of a Plasma Boundary Layer
*野田佳克(東京工業大学大学院情報理工学研究科)
プラズマ境界層をモデル化したEuler-Poisson方程式の数値計算を行う. 解の漸近状態は定常解と希薄波との重ね合わせにより与えられることが予想され, 定常解はシースに対応し,希薄波はプレシースに対応すると考えられる. 本研究では,数値計算を用いて以上の予想を検証する.
簡略MHDのハミルトン力学構造を応用した数値解析
*金子雄太(東大新領域), 吉田善章(東大新領域)
Clebsh表現を用いて、2次元完全流体と簡略MHDを正準力学系の表式に定式化した。正準系からみると中性流体と電磁流体の対応関係が明確になることから、これを特異構造形成の数値解析に応用した。
成分毎評価を用いた近似逆行列の精度保証法
*中村祐太郎(早稲田大学), 関根晃太(早稲田大学), 森倉悠介(早稲田大学), 大石進一(早稲田大学)
本報告では,近似逆行列の成分毎評価による精度保証法として,行列積を減らした計算方法を提案する. 提案手法では,山本の定理による成分毎評価を基に,高精度計算と,Krawczyk法を用いて真の逆行列と近似逆行列との差の改善を行う.
障害に誘起されるスパイラル波
*海原 麻衣(明治大学大学院 先端数理科学研究科), 末松 J. 信彦(明治大学大学院 先端数理科学研究科), 二宮 広和(明治大学大学院 先端数理科学研究科)
本研究では、興奮性媒体における障害を原因とする自発的なスパイラル形成に注目している。そこで、FitzHugh-Nagumo方程式を用いた数値計算及び光感受性Belousov-Zhabotinsky反応を用いた実験の両面からスパイラル形成のメカニズムについて考察する。
Dynamical construction of numerical Kahler-Einstein metric on toric del Pezzo surfaces
*只野 誉(大阪大学大学院 理学研究科 数学専攻)
複素射影平面の3点ブローアップのケーラー・アインシュタイン方程式の具体的な数値解を与え、それが漸化式を用いて改善できることを示す。本講演は満渕俊樹教授(大阪大学)との共同研究に基づく。
距離の公理を満たさない非類似度の表現
*熊谷敦也(日本大学商学部)
本講演では、対象を複素ベクトル空間に配置することで関連性データの非対称性を 表現するのに加えて、補助的な実ベクトル空間の導入により、三角不等式や非負性 を満たさないデータも表現可能となる定式化を示す。

8月30日 会場A 19:00-21:00 懇親会


8月31日 会場A 9:00-10:20 研究部会OS 計算の品質(1)

無限次元線形作用素に対する精度保証付きノルム評価
*渡部 善隆(九州大学), 中尾 充宏(佐世保工業高等専門学校)

無限次元線形作用素に対する逆作用素の存在とその効率的なノルム評価方法についての理論的考察を与え、いくつかの実際の問題に対する精度保証付き数値例を示します。
最高階に0を含む2階楕円型偏微分方程式に対する計算機援用解析
**高安亮紀(早稲田大学/PD), 大石進一(早稲田大学)
最高階に0を含む2階楕円型偏微分方程式を考える.最高階に0を含む方程式は,通常,強楕円性が崩れてしまい解析的に解が一意に定まらないとされている.本講演では強楕円性が崩れた方程式に対して得られた数値解をもとに,その解の存在を計算機援用証明する手法を与える.
ある連立2階楕円型偏微分方程式系の解に対する計算機援用証明
**関根晃太(早稲田大学), 高安亮紀(早稲田大学), 大石進一(早稲田大学, JST/CREST)
定常的な反応拡散システムは,連立2階楕円型偏微分方程式を用いて記述される.本研究では,ファンデルポール型非線形関数を持つ連立2階楕円型偏微分方程式系の解に対する計算機援用証明方法を示す.
線形楕円型作用素のNeumann条件下における精度保証付き逆作用素ノルム評価
**田中一成(早稲田大学 基幹理工学研究科), 高安亮紀(早稲田大学理工学術院), 劉雪峰 (早稲田大学理工学術院), 大石進一(早稲田大学理工学術院,CREST/JST)
半線形楕円型境界値問題の弱解の計算機援用存在証明には,線形楕円型作用素の逆作用素ノル ム評価が不可欠である.本報告では,有界多角形領域上のNeumann境界値条件に対応できるノルム評価法を提案する.

8月31日 会場A 10:30-11:50 研究部会OS 計算の品質(2)

明示化されたブロック行列積の実装と事前誤差解析の改善
**尾崎 克久(芝浦工業大学), 荻田 武史(東京女子大学), 大石 進一(早稲田大学)

浮動小数点演算による結果の誤差を考える事前誤差評価は計算順序と大きく関連する.ただし,計算に使用されるライブラリには計算順序が特定できないものもある.本発表では行列積について,この問題の折衷案と計算例を紹介する.
GPUのメモリ制約を意識した連立1次方程式に対する精度保証法の実装
**森倉 悠介(早稲田大学), 尾崎 克久(芝浦工業大学), 大石 進一(早稲田大学)
連立1次方程式におけるGPUを用いた精度保証法を考える.GPUを用いての実装には,演算に対する丸めとメモリ量の問題点があるが,最近点丸めにおける評価と行列のブロック分割を用いてGPU上での実装を可能にした.
高精度逆コレスキー分解の収束解析
**柳澤優香(東京女子大学 大学院理学研究科), 荻田武史(東京女子大学 大学院理学研究科)
非常に悪条件な行列に対して,そのコレスキー分解要素の、近似逆行列を高精度に求めるアルゴリズムを解析し,収束性を証明することを目的とする.
区間入力に対する幾何判定問題の精度保証化に関する準備
**太田悠暉(芝浦工業大学), 尾崎克久(芝浦工業大学)
計算幾何学でよく使われる三点の位置関係を判断する問題がある. 本発表では三点が区間として与えられる場合の精度保証として, 高速な浮動小数点数フィルタと厳密な判定法について述べる.

8月31日 会場A 13:30-14:50 研究部会OS 計算の品質(3)

自己共役楕円型微分作用素の高精度な固有値評価のについて
**劉 雪峰(早稲田大学理工学術院総合研究所), 大石 進一(早稲田大学理工学術院; CREST, JST)

自己共役楕円型微分作用素の固有値問題に対して、高精度な精度保証付き固有値評価方法を提案する。 この方法有限要素法とLehmann-Goerisch定理をベースして、一般的な多角形領域にも対応できる。
非凸領域における特異関数とスプライン関数を用いたラプラス作用素の高精度な固有値評価
**南畑 淳史(早稲田大学大学院 基幹理工学研究科), 劉 雪峰(早稲田大学 理工学術院総合研究所), 大石 進一(早稲田大学 理工学術院 & JST / CREST)
非凸領域における2次元ラプラス作用素の固有値問題について、 高精度に固有値を評価する手法を提案する。 本講演では様々な領域に対するディレクレ条件とノイマン条件下における固有値の数値計算例を発表する。
無限区間のSinc関数近似に対する定数を明示的に表した誤差評価
*岡山友昭(一橋大学)
有限区間におけるSinc関数近似に対しては、定数を明示的に表した誤差評価が与えられており、近似精度を定量的に保証できるようになっている。本研究ではこれを無限区間におけるSinc関数近似に対して行い、その結果を報告する。
アフィン演算を用いた劣決定非線形方程式の全解探索
**井原浩介(芝浦工業大学), 神澤雄智(芝浦工業大学)
劣決定非線形方程式の全解探索において従来では区間解析が用いられてきたが、本研究では区間演算よりも精度が良いアフィン演算を用いて従来法よりも高精度、高速な結果を得るためのアルゴリズムの提案を行う。

8月31日 会場A 15:00-16:20 研究部会OS 計算の品質(4)

Explicit examples of interfaces supporting surface gap soliton ground states in the 1D nonlinear Schroedinger equation
*長藤 かおり(Karlsruhe Institute of Technology), Tomas Dohnal(Karlsruhe Institute of Technology), Michael Plum(Karlsruhe Institute of Technology), Wolfgang Reichel(Karlsruhe Institute of Technology)

2種の周期構造からなるインターフェースを 持つ非線形一次元シュレディンガー方程式 の基底状態の存在検証法について紹介し、 基底状態の存在を保証する具体的なポテン シャルの例をいくつか与える。
常微分方程式の初期値問題の精度保証法を利用した周期解の全解探索
**柏木 啓一郎(NTT未来ねっと研究所), 柏木 雅英(早稲田大学)
我々はこれまでに常微分方程式の初期値問題に対する精度保証法を提案してきた. 本稿ではこの提案方法を利用した, 非線形常微分方程式の周期解の全解探索法を提案する.
線形化逆作用素を用いた非線形常微分方程式系に対する解の検証方法について
*木下武彦(京都大学数理解析研究所), 木村拓馬(早稲田大学理工学術院), 中尾充宏(佐世保工業高等専門学校)
本講演では連立非線形常微分方程式系の初期値問題に対する解の新しい検証手法を提案する.本手法では,近似解を任意のアルゴリズムを用いて計算出来るという特徴を持つ.
Saddle-saddle connectionの精度保証付き数値検証
**松江 要(東北大学大学院理学研究科数学専攻), 山本 野人(電気通信大学情報工学科)
力学系のコネクティングオービットで一般に構造不安定なsaddle-saddle connectionのトポロジカルなアイデアを織り交ぜた非常にシンプルで、(無限次元を含む)高次元力学系への一般化も期待できる数値検証法を紹介する。

8月31日 会場A 16:30-17:50 一般講演 計算の品質

DE積分公式に対する使い勝手の良い事前誤差評価法
*小林健太(一橋大学商学研究科)

DE積分公式について,既存の誤差評価を用いて誤差の上界を得ようとすると,複素領域の複雑な形状の積分路上で関数値を評価する必要がある. それに対して我々は,積分路を修正することにより,使い勝手の良い事前誤差評価法を構成することができた.
三角形要素上の外接半径条件とその応用
小林健太(一橋大学), *土屋卓也(愛媛大学)
平面上の任意の三角形要素上での1次補間の誤差評価について、最近発見された「外接半径条件」について報告する。
Laplace作用素の固有値評価を用いた2D形状認識と応用
**菊井 知美(早稲田大学基幹理工学研究科), 劉 雪峰(早稲田大学理工学術院), 大石 進一(早稲田大学理工学術院,CREST,JST)
2次元領域でのLaplace作用素の固有値の分布に基づいた、 領域の形状の特徴を表す表現関数を紹介する。この表現関数を用い、 形状のスケーリングと回転の変換によらない、輪郭のノイズに強い形状認識の手法を提案する。
最近点丸めを用いた区間連立一次方程式の精度保証付き数値計算
**小室和範(早稲田大学), 森倉悠介(早稲田大学), 大石進一(早稲田大学)
連立一次方程式において、係数行列と右辺ベクトルが区間の場合を考える。丸めの変更を用いた場合計算時間が増えるという問題点がある。本報告では、最近点丸めを用いた事前誤差評価により、区間に拡張した際の計算時間の増大を抑えた。

8月31日 会場B 9:00-10:20 会員主催OS ソフトウェア自動チューニング研究最前線2012 --ポストペタスケールへの適用とエクサスケールへ向けて--(1)

自動チューニングにおける選択肢絞り込み
*須田礼仁(東京大学)

自動チューニングのチューニングパラメタ探索には 発見的枝刈りが使われてきた. 本発表ではベイズ推定に基づく手法において,枝刈りに 相当するモデリング手法を論じ,疎行列反復解法の パラメタ選択に適用する.
ポストペタスケール環境のための自動チューニング基盤ppOpen-ATの新機能について
*片桐孝洋(東京大学情報基盤センター), 伊東聰(東京大学情報基盤センター), 大島聡史(東京大学情報基盤センター)
ポストペタスケール環境のための自動チューニング基盤ppOpen-ATにおいて、近年開発された新機能と、その効果について説明する。特に陽解法向け機能である、ループ分割とループ融合機能について実コードを例にして説明する。
自動チューニング基盤ppOpen-ATへの標本点逐次追加型性能パラメータ推定法の適用
*田中 輝雄(工学院大学), 大塚 亮(工学院大学), 藤井 昭宏(工学院大学), 片桐 孝洋(東京大学)
標本点を自動的に選択・追加しながら最適な性能パラメータの値を推定する「標本点逐次追加型性能パラメータ推定法」を自動チューニング基盤ppOpen-ATへ実装し,ユーザの支援なしで効率良い有効なパラメータ選択を可能とした
Xcryptを用いた3次元FDTD法プログラムの自動チューニング
**日比野元春(京都大学), 南武志(京都大学), 平石拓(京都大学), 岩下武史(京都大学), 中島浩(京都大学)
高周波電磁場解析手法の一つである3次元FDTD法において、時空間タイリングによるキャッシュチューニングが提案されている。 本手法におけるチューニングパラメータを自動的に決定する手順を設計し、Xcryptによる実装、性能評価を行う。

8月31日 会場B 10:30-11:50 会員主催OS ソフトウェア自動チューニング研究最前線2012 --ポストペタスケールへの適用とエクサスケールへ向けて--(2)

ポスト・ペタスケール時代の密固有値計算ソルバについて
*今村俊幸(電気通信大学), 山田進(日本原子力研究開発機構), 町田昌彦(日本原子力研究開発機構)

京を筆頭とする国内外でのペタスケール計算機の出現に合わせて、各国で蜜行列固有値ソルバの再開発が進んでいる。そのレビューを中心に、自動チューニング技術が果たす役割について論じる。
Xabclib:ソルバ・前処理自動選択機能を備えた疎行列ライブラリ
**櫻井隆雄(日立製作所 中央研究所), 片桐孝洋(東京大学 情報基盤センター), 直野健(日立製作所 中央研究所), 黒田久泰(愛媛大学大学院 理工学研究科), 中島研吾(東京大学 情報基盤センター), 猪貝光祥(日立超LSIシステムズ), 大島聡史(東京大学 情報基盤センター), 伊藤祥司(東京大学 情報基盤センター)
疎行列反復法ライブラリは前処理やソルバの選択を誤ると解が得られない。そこで、本講演では自動チューニング機能付疎行列反復法ライブラリXabclibの備える前処理とソルバの動的自動選択方式について述べる。
SMP上での並列QR分解に対する自動チューニングの検討
**深谷 猛(神戸大学), 山本 有作(神戸大学), 張 紹良(名古屋大学)
共有メモリ型並列計算機上でQR分解の並列計算を行うことを想定し,行列の列および行方向のブロック分割の方法やCPUの割り当て方などのパラメータを自動的に決定する手法について検討し,その効果について評価する.
ポストペタスケール計算環境に向けた並列FFTの自動チューニング
*高橋大介(筑波大学)
本論文では,ポストペタスケール計算環境に向けた並列FFTの自動チューニング手法を提案すると共に性能評価を行った結果について述べる.

8月31日 会場B 13:30-14:50 研究部会OS 若手の会(1)

(本セッションの講演は全て招待講演です)

偽収束を回避するBlock Krylov部分空間反復法の安定化と計算量削減について
*多田野 寛人(筑波大学システム情報系), 櫻井 鉄也(筑波大学システム情報系,JST/CREST)

Block Krylov部分空間反復法では,右辺ベクトル数が多い場合は偽収束と呼ばれる現象が発生し,高精度近似解が得られないことがある.本講演では偽収束を回避する解法について述べ,その計算量削減手法を提案し効果を検証する.
A fast wavelet expansion technique for Vasicek multi-fator model of portfolio credit risk
**石谷謙介(首都大学東京都市教養学部経営学系)
本講演では, 金融機関の信用リスク管理実務において標準的モデルであるVasicek multi-factor modelの枠組みで, Haar Waveletを用いて与信ポートフォリオのVaRを短時間・高精度に計算する方法について紹介する.
放物型初期値境界値問題に対する計算機援用証明について
**木村拓馬(早稲田大学理工学術院)
著者らによる,放物型初期値境界値問題に関連する研究成果を紹介する.主な成果として線形放物型問題に解を与える作用素のノルム評価が挙げられる.この評価の応用により,非線形問題の解の存在性等の計算機援用証明が可能となる.
微分作用素のスペクトルに対するHillの方法の明示的な誤差上界
*田中健一郎(公立はこだて未来大学), 村重淳(公立はこだて未来大学)
周期関数を係数に持つ微分作用素のスペクトルを数値計算する方法の一つとして,Hillの方法と呼ばれる方法がある.本講演では,Hill の方法の収束次数および誤差の上界を理論的に評価した結果を報告する.

8月31日 会場B 15:00-16:20 研究部会OS 若手の会(2)

(本セッションの講演は全て招待講演です)

量子化学計算の並列化に向けた取り組み
**石村和也(分子科学研究所)

分子の電子状態を求める量子化学計算は、触媒や電池の設計、創薬などに幅広く用いられており、取り扱われる分子は年々大きくなっている。これまでに開発したMPI/OpenMPハイブリッド並列化アルゴリズムについて紹介する。
縮約密度行列の直接変分法と半正定値計画法について
*中田真秀(理化学研究所)
量子化学、量子物理の手法の一つとして、二次の縮約密度行列の直接変分法が注目されている。これは基底状態のエネルギーや物理的観測量を波動関数を使わずに計算する手法である。また、最適化として見るとこれは巨大な半正定値計画法を解くことに帰着する。この研究についての最近の進展について発表を行う。
GPUを用いた疎行列ベクトル積計算の最適化
**大島聡史(東京大学情報基盤センター)
GPUを用いたアプリケーションやライブラリの高速化が盛んに行われている。本発表では様々なアプリケーションで利用される疎行列ベクトル積について、GPUを用いた高速化の方法や性能について紹介する。
ランク配置自動最適化ツールRMATT
*今出広明(富士通株式会社)
直接網を持つ計算システムでは、プロセスの配置が通信処理時間に影響を与える。 プロセス配置を最適化することで通信処理時間を短縮可能なRMATT(Rank Map Automatic Tuning Tool)について述べる。

8月31日 会場B 16:30-17:50 研究部会OS 折紙工学

曲線折紙による3次元構造物の制作
*杉山文子(京都大学大学院工学研究科), 野島武敏(アートエクセル折紙工学研究所)

折り畳み可能な構造物、直線の折線からなる構造物を基に、曲線折で3次元構造物を制作する方法を示す。
折紙造形への数学的アプローチ ―等角写像の応用―
**石田祥子(明治大学), 野島武敏(㈱アートエクセル折紙工学研究所), 萩原一郎(明治大学)
折紙模型の機能特性や造形美は折線のなす角度によって大きく変わるため,角度の制御が非常に重要である.本研究では,変換の前後で角度が保存される等角写像変換に着目し曲線折紙の設計を行う数学的手法を検証する。
定常熱伝導解析に基づくトラスコア構造の熱特性に関する研究
**楊陽(明治大学), 趙希禄(埼玉工業大学), 五島庸(城山工業(株)), 森村浩明(明治大学), 萩原一郎(明治大学)
トラスコアパネルの熱特性に関する検討として、定常熱伝導シミュレーションにより、トラスコアパネルの熱伝導性能をハニカムパネルと比較した。最適化手法を用いて熱伝導性能をいっそう向上させうる形状を求めた。
Conical Type 3D Origami Structure Creation and Cylindrical Type Modeling with Deformation Considered Parametric Origami Module
**廖于靖(明治大学), 趙 希禄(埼玉工業大学), 中山 江利(明治大学), 萩原 一郎(明治大学)
Rather than simple press processing in manufacture, there are many engineering application of origami structure used for developing less weighty structure as a engineering to obtain better performance of tensile strength. Many researchers have been studying origami structure in distinguish point of view. In the previous study, based on the proposal of Parametric Origami Module and related algorithms, complex three-dimensional object is able be created , expanded on plane to make crease pattern. Thus, in this study the method for generating conical type 3D origami Structure creation is proposed and by considering deformation with POM, modeling 3D shape of Cylindrical Type origami structure is proposed as well.

8月31日 会場C 9:00-10:20 研究部会OS ウェーブレット(1)

On the Critical Case of the Wavelets Having Non Gevrey Regularities and Subexponential Decays
福田尚広(筑波大学), 木下保(筑波大学), **上原伊音(筑波大学)

無限回微分可能で指数的な減少度をもつウェーブレットは存在しないという事実がよく知られている。微分可能性を緩めてドブシーウェーブレットが構成される一方で、減少度を緩める限界はどれほど可能であるかを報告する。
双直交スケーリング関数を用いた有限要素法について
**福田尚広(筑波大学)
2011年度年会において,正規直交スケーリング関数を有限要素法に適応するように 修正した基底について講演した.本講演では,双直交スケーリング関数(補間スケーリング関数)を利用した 有限要素法について紹介する.
3角形ウェーブレットによる画像の局所特徴解析
**藤ノ木 健介(広島市立大学), 石光 俊介(広島市立大学)
3角形ウェーブレットを用いた局所特徴量(キーポイント)の検出法を提案する.3角形双直交Haarウェーブレットを用いて,キーポイント検出の均一度を従来のウェーブレット変換を基にした方法と比較する.
マルチウェーブレットパケットについて
*溝畑 潔(同志社大学理工学部数理システム学科)
マルチウェーブレットパケットは 従来のウェーブレットよりも柔軟であるが、 その係数の解釈は困難である。 この講演ではこの件に 関してシミュレーション行った結果を紹介する。

8月31日 会場C 10:30-11:50 研究部会OS ウェーブレット(2)

ガウスの消去法を用いた信号源縮減について
*守本晃(大阪教育大学), 芦野隆一(大阪教育大学), 萬代武史(大阪電気通信大学)

与えられたブラインド信号源分離の瞬時混合問題に対して,ガウスの消去法を用いて,信号源が少ない瞬時混合問題に帰着する方法を提案する.この提案方法により, 従来法よりも多い数の信号源の瞬時混合問題を解くことができることを示す.
(OS特別講演) ブラインド信号源分離を用いたノイズに埋もれた信号の抽出と位置の特定
*佐々木文夫(東京理科大学), 箭内恵美(東京理科大学), 田中治(東京理科大学), 安岡正人(東京理科大学)
位置が特定できない未知信号源が反射音を含み、さらにそれらがノイズに完全に覆われているような状況における、信号源の位置と信号源の完全な抽出方法について示す。また数値実験により、本手法の妥当性について示す。

8月31日 会場C 13:30-14:50 一般講演 現象の数理モデル(1)

球形微生物の運動と繊毛波パターン
**石本健太(京都大学数理解析研究所)

ボルボックスやゾウリムシのような繊毛を使って流体中を運動する球形微生物の数理モデルであるsquirmerモデルを用いて、いくつかの条件の下で運動速度や効率を最適にする繊毛波のパターンを調べた。
陸上を進行する津波の摩擦抵抗とその挙動
**大家義登(明治大学大学院先端数理科学研究科), 中村和幸(明治大学大学院先端数理科学研究科)
陸上を進行する津波は地面からの抵抗の他に建造物等からも抵抗も受ける。津波の遡上のシミュレーションではこの抵抗の値を経験的に定める事が多い。本発表では、摩擦抵抗の違いによる津波の挙動の変化に関して述べる。
Studies on the Self-Motion of a Deformed Camphor Disk with Bifurcation Theory
**Keita Iida(Graduate School of Natural Science and Technology, Kanazawa University), Hiroyuki Kitahata(Graduate School of Science, Chiba University), Masaharu Nagayama(Research Institute for Electronic Science, Hokkaidou University)
We show our analytical findings on the self-motion of a deformed camphor disk at the water surface, which correspond to the experimental results.
樟脳船モデルに対する渋滞現象の数理解析
*長山雅晴(北海道大学電子科学研究所), 末松 J. 信彦(明治大学大学院先端数理科学研究科), 安宅正(富士通株式会社)
樟脳船の集団現象として渋滞現象が実験に見られる.我々は,その現象の発現機構を数理モデルから解明し,数理モデルに対する解析によって非渋滞解から渋滞解への遷移を分岐理論から理解する.

8月31日 会場C 15:00-16:20 一般講演 現象の数理モデル(2)

髪のスタイル・シミュレーションーおさげ髪のシミュレーション
*齊藤郁夫(公立はこだて未来大学システム情報科学部)

自然なヘアスタイルの表現を求めて、髪の毛は弾性体モデルへと進化している。ストレートやカールのかかった髪は取扱えるが、おさげ髪はいまだ提案されていない。ハミルトン方程式を用いておさげ髪を取り扱う方法を提案する。
建築環境振動が近隣に及ぼす影響に関する研究
**三留里香(東京理科大学大学院), 佐々木文夫(東京理科大学), 高野真一郎(株式会社大林組)
わが国では、建築物の建設解体工事に伴い発生する振動に対して、近隣への被害を低減させることが求められている。本論文では、建設重機(バックホウ)の作業の振動特性を把握し、近隣へ及ぼす影響について言及する。
Noise-induced bistability in a collective system with global and asymmetric local interaction
*山崎義弘(早稲田大学理工学術院)
大域的かつ非対称局所的に結合した素子の集団に対して、力学系モデルに基づくシミュレーションを行い、ノイズの無い場合単安定となる系が、ノイズの存在によって双安定となるダイナミクスの研究結果について紹介する。
Dynamic spiral coexistence in competing species
三村昌泰(明治大学大学院先端数理科学研究科), *藤間真(桃山学院大学経済学部)
非線形項がロトカ・ヴォルテラ型の反応拡散系で表される、生存競争モデルにおいて、弱小種が侵入する事により、動的な競争緩和共存が発生することを報告する。

8月31日 会場C 16:30-17:30 一般講演 現象の数理モデル(3)

アイテム入札による組合せオークションのナッシュ均衡
**梅田 博之(中央大学大学院), 浅野 孝夫(中央大学)

アイテム入札による組合せオークションにナッシュ均衡 が存在するための特徴付けを与える。具体的には、評価 関数が単調性と劣加法性と対称性を満たしプレーヤーが 二人のときの、ナッシュ均衡存在の特徴付けを与える。
結晶学の格子決定問題(粉末指数づけ)への格子簡約理論の応用
**富安亮子(高エネルギー加速器研究機構)
粉末指数づけにおいては、観測された格子ベクトルの長さを元に結晶格子を決定する。観測データは一定量の誤りを含むため、簡約理論に登場するグラフをネットワークとして利用することで、ロバストなアルゴリズムを開発した。
興奮性媒体における自発的なスパイラル波の生成機構
*木下修一(明治大学 研究・知財戦略機構), 立石恵大(明治大学大学院先端数理科学研究科), 岩本真裕子(明治大学大学院先端数理科学研究科), 末松信彦(明治大学大学院先端数理科学研究科), 上山大信(明治大学大学院先端数理科学研究科)
空間的に非一様な興奮性媒体上における伝播波は非一様性の程度により伝播状態が変わる。 本研究では特にスパイラル波が生成される条件について、数値計算と実験の両面から明らかにしたので報告する。

8月31日 会場D 9:00-10:20 一般講演 数値計算(1)

X-EFG法によって得られる非対称連立1次方程式に対するソルバーの検討
*伊東 拓(東京工科大学), 齋藤 歩(兵庫県立大学), 生野 壮一郎(東京工科大学), 神谷 淳(山形大学)

X-EFG法を用いて偏微分方程式を数値的に解く際に現れる連立1次方程式は,対称行列に近いが一部に非対称部分が含まれる係数行列をもつ.本講演では,同連立1次方程式を高速に解くためのソルバーを検討する.
Taylor展開による微分項や特異性を持つ関数の数値積分法
*平山 弘(神奈川工科大学 自動車システム開発工学科)
Taylor展開式を使って、微分項や特異性を除去したり、特異性を弱めることによって通常よく使われる数値積分法を使って効率的に積分する方法を提案する。
級数の連続化による総和法
*岡畑 豪(防衛大学校 機械システム工学科), 藪下 和樹(防衛大学校 機械システム工学科)
SPH法で用いられる3次のスプライン関数をカーネル関数とし,級数の連続化を行った.その結果,交代級数に対して,発散が収まる例および収束が加速される例が確かめられ,総和法としての一定の効果が確認できた.
SRK法によるHomotopy法の収束特性の改良
*鈴木千里(静岡理工科大学 総合情報学)
非線形方程式の単解に3次‐多重解に2次の収束特性を持つSRK法を利用して、重解や近接解に対してニュートンホモトピー法が抱えるボトルネックを解消する.

8月31日 会場D 10:30-11:50 一般講演 数値計算(2)

代用電荷法とKoebe (1916)による正準スリット領域への数値等角写像
*天野 要(愛媛大学), 岡野 大(愛媛大学)

代用電荷法の調和関数近似から解析関数近似への一般化という視点でKoebe (1916)による正準スリット領域への数値等角写像の方法を概観する.
Koebeの正準領域への数値等角写像
*岡野大(愛媛大学), 天野要(愛媛大学), 遠藤慶一(愛媛大学)
任意の領域が等角同値な単連結領域と異なり、多重連結領域の等角写像の問題では自由度を留保した正準領域を設定し、写像関数とともに領域の自由度を定める必要がある。Koebeの呈示した正準領域の多くを含む多様な問題を扱う数値等角写像の方法について示す。
半導体における量子エネルギー輸送方程式のための数値スキームと反復解法
**鍾菁廣(大阪大学情報科学研究科), 小田中紳二(大阪大学サイバーメディアセンター)
量子流体方程式の拡散スケーリングによって得られる量子エネルギー輸送(QET)方程式の数値解法を提案する。本講演ではその数値スキームの構成、及び、内部反復と外部反復からなる反復解法を与える。

8月31日 会場D 13:30-14:30 研究部会OS 応用カオス(1)

レーザーカオスとHe-Ne レーザーを用いたTHz 波の広帯域化
*桑島 史欣(福井工大), 白尾 拓也(福井工大), 谷 正彦(福井大遠赤セ), 栗原 一嘉(福井大教育), 山本 晃司(福井大遠赤セ), 萩行 正憲(阪大レーザー研), 長島 健(阪大レーザー研), 岩澤 宏(福井大名誉教授)

レーザーカオスとHe-Neレーザーを用いて広帯域THz波の発生を行った
レーザプロジェクタ用RGBレーザダイオードの高周波重畳によるスペックルノイズ低減
千速健太(同志社大), 香野良文(同志社大), 鎌田晃平(同志社大), *佐々木和可緒(同志社大)
最近実用化された、緑色光を直接発光できる半導体レーザ(LD)を中心に用いて、RGBレーザプロジェクタを構成し高周波を重畳することによるスペックルノイズの低減を行った。併せて高周波重畳時のカオス挙動の観点からも検討を加えた。
フラクタル性の光カオス秘匿通信への応用
**宗形亮太(早稲田大学大学院先進理工学研究科), 海老澤賢史(東京理科大学理工学部), 小松進一(早稲田大学大学院先進理工学研究科)
光カオスを利用した従来の秘匿通信手法はカオス同期現象を用いるが、この同期現象により秘匿性を大きく損なう可能性がある。そこで本講演では、同期現象を用いず、カオスの特徴の一つであるアトラクタのフラクタル性を応用した秘匿通信手法を提案する。

8月31日 会場D 15:00-16:00 研究部会OS 応用カオス(2)

ノイズ印加戻り光半導体レーザーを用いた光カオス通信
**海老澤賢史(東京理科大学理工学部), 宗形亮太(早稲田大学大学院先進理工学研究科), 前田譲治(東京理科大学理工学部), 小松進一(早稲田大学大学院先進理工学研究科)

戻り光によりカオス発振する半導体レーザーの駆動電流にノイズ信号を印加することで,カオス発振の動的特性を変化させる。これについて調査し,さらに光カオス秘匿通信への応用について検討する。
精度に着目した有限精度のロジスティック写像における最適な数値表現
*荒木俊輔(九州工業大学大学院情報工学研究院), 宮崎武(北九州市立大学国際環境工学部), 上原聡(北九州市立大学国際環境工学部), 硴崎賢一(九州工業大学大学院情報工学研究院)
系列長に着目した有限精度のロジスティック写像の表現形式について議論する。浮動小数点形式の最適な構成を示した上で、有限精度のロジスティック写像では整数形式による表現がより平均的に長い系列長を出力可能なことを示す。
有限精度演算で実装されたテント写像から得られた擬似ランダムビット列に対する初期値推測について
*奥富 秀俊(東芝情報システム株式会社)
有限精度の計算機に実装されたテント写像の演算には誤差が含まれる.このような系から生成された擬似ランダムビット列(最上位ビット抽出)が与えられたときに,当該系列を生成し得る初期値の推測法について述べる.

8月31日 会場D 16:30-17:30 研究部会OS 応用カオス(3)

エントロピー型カオス尺度によるカオスの特徴付け
*井上 啓(山口東京理科大学)

エントロピー型カオス尺度(ECD)は、情報理論の観点から導入されたカオスを定量的に特徴付ける指標の一つである。本発表では、ECDによるカオスの取扱いに関するこれまでの取り組みを紹介する。
可解な単位円周上二次元カオスの統計的性質
*佐藤彰洋(京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻), 梅野健(京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻)
単位円周上2次元写像系の統計的性質について報告する。特に、このような2次元写像系の高次相関関数の解析解と数値計算との比較を行い偶数次モーメントに対して負の相関が存在することを示す。
カオスと平方剰余の相互法則
*梅野健(京都大学大学院情報学研究科)
ロジスティックカオス写像を含む可解カオス模型の周期軌道の群において、数論の基本法則と知られる平方剰余の相互法則と等価な法則が存在することが解った。これは数論とカオスが深く関連することを示す。

8月31日 会場A 20:30-22:00 精度保証付き数値計算ワークショップ(2) 主催: 早稲田大学理工学総合研究所 協賛: 日本応用数理学会

二重指数関数型積分公式とその誤差の見積もり
*森 正武(京都大学名誉教授)

被積分関数の解析的性質あるいは積分の数値的挙動に注目しながら, DE公式の誤差の見積もりを実行する.
数値積分の精度保証化技術 - 特異点を含む積分の高信頼な結果を得るために -
*山中 脩也(早稲田大学)
特異点を積分区間の端点に含む数値積分に対して, 精度保証付き数値計算を行なうための方法について概要を述べる.